...何もさう云ふ人人は酔興(すゐきやう)に泳いでゐる訣(わけ)ではあるまい...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...客が立て込んで酔興な客が...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...あなたご自身の酔興から...
太宰治 「斜陽」
...「まあ、酔興ね、それじゃあなたも順礼の支度をなすったらどう」と、美佐子は眉(まゆ)をひそめたが、可憐(かれん)なお久が伊賀越の芝居のお谷のようないじらしい姿になるさまを想うと、それと一緒に御詠歌をうたって鈴を振りながら旅をしようという老人の道楽が、ちょっと羨ましくないこともなかった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それはやつぱり酔興だつた...
種田山頭火 「旅日記」
...あなた様の御酔興(ごすいきょう)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...俺が酔興(すいきょう)であんな軽業をさせるんじゃねえと思う節(ふし)もあるだろう……おやおや...
中里介山 「大菩薩峠」
...酔興(すいきょう)で歩いて来たんじゃねえや」「ちょいとお待ち...
中里介山 「大菩薩峠」
...いつ立つの」「いつだかわからなくなっちゃった」「いい酔興だねえ――そうして友さん...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕はどうしてもやって見る気なんですから」「随分酔興(すいきょう)ですね」と原さんは首を傾(かし)げて...
夏目漱石 「坑夫」
...私は酔興(すいきょう)に書くのではありません...
夏目漱石 「こころ」
...誰だって酔興(すいきょう)と思いますわ」「思われてもしようがない...
夏目漱石 「野分」
...人から見ると酔興(すいきょう)な苦労をします...
夏目漱石 「野分」
...何の酔興(すいきょう)でこんな差別をつけたものだろう...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...いつか自分の室の前に出られるだろうという酔興(すいきょう)も手伝った...
夏目漱石 「明暗」
...まさか」「いや僕のいうのは善(い)い意味での酔興ですよ...
夏目漱石 「明暗」
...御酔興か何かと私どもは思うばかりでございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これで院(上皇)を犬と呼んだり矢を射るなどの大不敬を酔興(すいきょう)の余(よ)にやった武士どもの御車(みくるま)暴行事件はひとまずかたがついたようなものだった...
吉川英治 「私本太平記」
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