...酔心地おぼえぬは無いといふ...
石川啄木 「漂泊」
...酔心地のこまやかさ...
種田山頭火 「其中日記」
...農学校に樹明君を訪ねて話してゐるとき、思ひがけなく周二君来訪、三人いつしよに帰庵して会飲、そして珍客芝川君を迎へた、意外であつたゞけ会合のよろこびは二乗された、千福の酔心地、広島牡蠣のうまさ、そのうまさも二重だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...……ぐうたら手記釣心、句心、酔心...
種田山頭火 「其中日記」
...――やうやく酔心を書きあげて椿へ送つた...
種田山頭火 「其中日記」
...酔心地をがらがら揺られてると...
豊島与志雄 「狐火」
...酔心地がよかった...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...彼はぼんやりした酔心地で家に帰って来た...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...やや呑み過ごした酔心地(えいごこち)を得(え)もいわれぬ川風に吹払わせていた二人の門人種員(たねかず)と仙果(せんか)は覚えず羨望(せんぼう)の眼(まなこ)を見張って...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...みなふしぎな酔心持を感じる...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...歩くも何か酔心地...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...そのさわぎの中をオールドオークニーの酔心地...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...鐘の声が聞えて余所の光明に照されながら酔心地(えいごこち)になっていた事がある...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...右のように支那人は葡萄すなわち蒲桃を酔心地よく酒に酔う意味だと言っている...
牧野富太郎 「植物記」
...かなり酔心地で席を立つと...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...二人はもうどうしていいか分らぬほどな情炎に包まれて伽羅油(きゃらゆ)のとろ火で煮られたかのような酔心地になりかけていた...
吉川英治 「剣難女難」
...また彼自身の感傷を彼自身の詩情で霧のような酔心につつんで思わず出たことばでもあろう...
吉川英治 「三国志」
...それが容器は番茶どびんだが中味は翁愛用の銘酒酔心の冷やなのであった...
吉川英治 「落日の荘厳に似る」
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