...私は酔心地どころではなかった...
太宰治 「断崖の錯覚」
...農学校に樹明君を訪ねて話してゐるとき、思ひがけなく周二君来訪、三人いつしよに帰庵して会飲、そして珍客芝川君を迎へた、意外であつたゞけ会合のよろこびは二乗された、千福の酔心地、広島牡蠣のうまさ、そのうまさも二重だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...扉の言葉)(めくら滅法 歯なしがむしやら)鉄鉢と魚籃と (層雲へ)――其中日記ところどころ――×酔心 (椿へ寄稿)九月四日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...――やうやく酔心を書きあげて椿へ送つた...
種田山頭火 「其中日記」
...三月二日酔境に東西なく、酔心に晴曇なし...
種田山頭火 「其中日記」
...また一苦労こしらへた! 酔心地はよかつたが...
種田山頭火 「其中日記」
...ほどよい酔心地、銭を少々借ることが出来たのである...
種田山頭火 「其中日記」
...酔心地がよかった...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...彼はぼんやりした酔心地で家に帰って来た...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...一同は既に十分の酔心地(えいごこち)...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...やっぱり酔心地に相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ツイ先刻(さっき)までボッと酔心地だったことはおくびにも出しません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...みなふしぎな酔心持を感じる...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...鐘の声が聞えて余所の光明に照されながら酔心地(えいごこち)になっていた事がある...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...右のように支那人は葡萄すなわち蒲桃を酔心地よく酒に酔う意味だと言っている...
牧野富太郎 「植物記」
...俺は大分醒めた酔心地にぶらぶらと墓地をたどつた...
村山槐多 「悪魔の舌」
...それが容器は番茶どびんだが中味は翁愛用の銘酒酔心の冷やなのであった...
吉川英治 「落日の荘厳に似る」
...彼らはうっとりと酔心地になるようなことはない...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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