...濃艶な唄の文句が酔ふた心をそれとなく唆(そその)かす...
石川啄木 「菊池君」
...一杯だけで、陶然と酔ふ...
太宰治 「お伽草紙」
...濫作一聯如件・みほとけに供へる花のしつとりと露・朝風のうららかな木の葉が落ちる仏間いつぱいに朝日を入れてかしこまりました・山へのぼれば山すみれ藪をあるけば藪柑子・山ふところはほの白い花が咲いて・によきによきぜんまいのひあたりよろし・山かげ、しめやかなるかな蘭の花うつろなこゝろへ晴れて風ふく・雲のうごきのいつ消えた燃えぬ火をふくいよ/\むなしまひるのかまどがくづれたいちにち風ふいて何事もなし椿ぽとりとゆれてゐる・鳥かけが見つめてゐる地べた・墓場あたたかい花の咲いてゐるほそいみちがみちびいてきて水たまり・春ふかい石に字がある南無阿弥陀仏春たけなはの草をとりつつ待つてゐる・ようさえづる鳥が梢のてつぺん親子むつまじく筍を掘つてをり・筍も安いといひつつ掘つてゐる木の芽へポスターの夕日暮れてもまだ敬坊は来ない、樹明君も来ない、いら/\してゐるところへやつとやつて来た、御持参の酒を飲みつゝ話してゐると、樹明君もやつてきた、三人とも酔ふた、酔うて...
種田山頭火 「其中日記」
...悠然として酔ふた...
種田山頭火 「其中日記」
...酒を飲んで酔ふことは悪くないが...
種田山頭火 「其中日記」
...午後、敬君来訪、サケサカナ例の如く、こゝろよく酔ふ、同道して山口の或る人を訪ねる、おとなしく用をすませて戻る、めでたし/\/\...
種田山頭火 「其中日記」
...ほろ/\酔ふたらそのまゝ睡るべし...
種田山頭火 「其中日記」
...酔ふて書きなぐる...
種田山頭火 「旅日記」
...句会から宴会、十時すぎて、私は一人街へ出た、酔ふた元気で、銀座のカフヱーに飛び込んだりしたが、けつきよく、こんな服装では浅草あたりの安宿に転げ込むより外なかつた...
種田山頭火 「旅日記」
...――酔うてゐる、さらに飲む、いよ/\酔ふ、――澄太君来庵、君は私の酔態に避(マヽ)易してゐることがよく解る、――そこへ一洵君も来庵、三人同道して道後の八重垣旅館へ押しかける、私だけ酒をよばれる、三人で悪筆乱筆を揮ふ、夕方、自動車で伊予鉄ホールの講演会へ出かけて、初めて澄君の講演を聴いた、よか/\...
種田山頭火 「松山日記」
...大分酔ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ジャーマンベーカリーの、ライブレッドサンドウィッチを肴に、一人ほろ酔ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...酔ふことの眼の先に...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...「酔ふて騒ぐ」の KOMAZEIN の単語を生じ...
牧野信一 「喜劇考」
...酔ふて月をうたひ明日はピザの露路裏で密造のドブロクに酔ひ痴れた友と共に遠征の覇気を養ふたマーク・アントニーの颯爽たる有様が忍ばれるやうだ...
牧野信一 「ひとりごと」
...それに伴れて酔ふ樽野の音声も五体に不釣合に高まり...
牧野信一 「円卓子での話」
...山で酒に酔ふと(里では決して口にしないといふ...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...その中から更に抜萃して見ると白酒に酔ふも三日や草の宿評 貴嬢紳士は終年宴楽菜の花のあなたに見ゆる妹が家評 黄雲千頃...
正岡子規 「病牀六尺」
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