...「お前は外套を持たんのか」「売って酒手にかえたよ」「だから酔ってるんだな...
梅崎春生 「蜆」
...酒手の出しようで...
直木三十五 「南国太平記」
...多分の酒手を出す外になかった...
直木三十五 「南国太平記」
...此男に酒手(さかて)の無心をされるのはわたくしばかりではあるまいと思って...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...そうしてどうやら事を納めたようにして酒手(さかて)をせびる――というような風の悪い武家が無いではなかったそうでございますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...支那人のボオイが持つて來た傳票(チツト)に少しの酒手を加へて拂ひをすますと...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...大した酒手(さかて)を下すつたぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...酒手はたんまりくださるとよ……早乗りだ」「おう...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...其折助へは酒手にても取らせて追ひ返し...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...酒手をつかわすぞ」闇太郎は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...これで一口――」と、酒手を渡して、下りて、さして行く、裏田圃――もはや、闇太郎の隠れ家は、かしこと、指さされるあたりまで来て、雪之丞の足はハタと止り、目は見すえられた!「おッ、あれは!」まごうかたなき、闇太郎住居とおぼしき小家を、星ぞらの下、提灯(ちょうちん)の火が幾つかちらばるように囲んで、黒い人影が、右往左往している...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...酒手をねだるつもりだろう...
山本周五郎 「風流太平記」
...三――酒手をやれ...
山本周五郎 「風流太平記」
...じっさいの収入は心付なり酒手だ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...そこで百石積の玄海丸という抜荷(ぬけに)専門の帆前船を探し出して顔なじみの船頭に酒手を遣り...
夢野久作 「名娼満月」
...すぐに多分の酒手を与えて船頭を初め舟子(かこ)舵取(かんどり)まで上陸させて...
夢野久作 「名娼満月」
...昨夜(ゆんべ)の酒手が利いたらしくキビキビと立働らいて...
夢野久作 「名娼満月」
...酒手を別にモウ五十両出す……」玄海丸は思い切って碇(いかり)を抜いた...
夢野久作 「名娼満月」
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