...また御鶏を酒手に代えまいものでもない...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...馬士も時々酒手をくれぐらいのことはいった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...酒手を貰おうかい...
直木三十五 「南国太平記」
...結局酒手と車代とを請求した...
永井荷風 「申訳」
...ずいぶん酒手を貰う筋があると睨(にら)んだのに何が無理でえ」「まあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒手(さかて)をドシドシくれてやりさえすりゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうしてどうやら事を納めたようにして酒手(さかて)をせびる――というような風の悪い武家が無いではなかったそうでございますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...支那人のボオイが持つて來た傳票(チツト)に少しの酒手を加へて拂ひをすますと...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...酒手をどっさりやるという約束のもとに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...酒手をつかわすぞ」闇太郎は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それが後々は飲ませるかわりに酒手(さかて)の銭(ぜに)をやることにもなったが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...そいつに酒手をおやんなさい」と深編笠の侍は云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...「酒手をもらってやろうというのに...
山本周五郎 「風流太平記」
...酒手を当然のしきたりなどと云うからは...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...じっさいの収入は心付なり酒手だ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...「そして、そのときは駄賃を払ったのです」伊兵衛は事情を語るのに熱中していた、「よけいなことだったかもしれませんが、多少の酒手、というより暇かき代も払うように頼んだのですが」「その話は聞きました」青岳が冷やかに遮った、「――必要ならその先を話して下さい、なるべく要点だけにして」「ではその先を、要点を」伊兵衛はちょっとまごついた、「――で、そういうわけで、私はもうすべて円満におさまったと思っていたのですが、まもなく、さよう、その日から五六日あとだそうですが、岩野久馬という人と、その中間(ちゅうげん)が十人ばかり、峠の下へやって来て、今後この街道で稼ぐことはならんと云い、通りかかる駕籠舁きや馬子を、片っ端から捉まえては殴りつけたり蹴(け)倒したり、五人も負傷者を出したというのです」伊兵衛は昂奮(こうふん)していた...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...そこで百石積の玄海丸という抜荷(ぬけに)専門の帆前船を探し出して顔なじみの船頭に酒手を遣り...
夢野久作 「名娼満月」
...すぐに多分の酒手を与えて船頭を初め舟子(かこ)舵取(かんどり)まで上陸させて...
夢野久作 「名娼満月」
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