...彼は二百文の酒手(さかて)を村役人に渡してしまうと...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...夜だから役人の酒手を倍増しにして四百文出すのが当前(あたりまえ)だということになった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...「お前は外套を持たんのか」「売って酒手にかえたよ」「だから酔ってるんだな...
梅崎春生 「蜆」
...かねがね私があれほどたくさん酒手をやり...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ずいぶん酒手を貰う筋があると睨(にら)んだのに何が無理でえ」「まあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒手(さかて)をドシドシくれてやりさえすりゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒手(さかて)をねだる雲助霞助もてんから目の中へ入れては置かないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...支那人のボオイが持つて來た傳票(チツト)に少しの酒手を加へて拂ひをすますと...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...酒手(さかて)をやって稲荷様の前に網を張らせ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...町駕籠(まちかご)を拾って精一杯の酒手(さかて)をやったのは平次にしては珍しい奢(おご)りです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大した酒手(さかて)を下すつたぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これが一本の酒手にもならんというのだから不思議だよ……」卓子には徳利が七本になった...
林芙美子 「泣虫小僧」
...酒手(さかて)は取らすべし...
森鴎外 「うたかたの記」
...そいつに酒手をおやんなさい」と深編笠の侍は云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...三――酒手をやれ...
山本周五郎 「風流太平記」
...じっさいの収入は心付なり酒手だ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...「そして、そのときは駄賃を払ったのです」伊兵衛は事情を語るのに熱中していた、「よけいなことだったかもしれませんが、多少の酒手、というより暇かき代も払うように頼んだのですが」「その話は聞きました」青岳が冷やかに遮った、「――必要ならその先を話して下さい、なるべく要点だけにして」「ではその先を、要点を」伊兵衛はちょっとまごついた、「――で、そういうわけで、私はもうすべて円満におさまったと思っていたのですが、まもなく、さよう、その日から五六日あとだそうですが、岩野久馬という人と、その中間(ちゅうげん)が十人ばかり、峠の下へやって来て、今後この街道で稼ぐことはならんと云い、通りかかる駕籠舁きや馬子を、片っ端から捉まえては殴りつけたり蹴(け)倒したり、五人も負傷者を出したというのです」伊兵衛は昂奮(こうふん)していた...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...ブリゲデイエ君に礼を云つて酒手(さかて)を遣らうとしたが中中(なかなか)頭(かぶり)を振つて受けない...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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