...もとより堂内の本尊には、縁の無き衆生の身、村店の酒未だ醒めざれども、更に一酌をとて、此地に有名なる川甚に入る...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...光ちやんと嫂のお酌で...
太宰治 「津軽」
...最初に発射したと云うことが明瞭になったので情状酌量して...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...既に独酌の盃を重ねているのだった...
富田木歩 「小さな旅」
...それとなく別盃(べっぱい)を酌(く)むために行きたい気はしたが...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...晩酌(ばんしやく)を一本つけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれは傳三へきつかけを知らせる合圖だつたのさ――月が良いのに相生(あひおひ)町の叔母の所から提灯を借りて來たのはその用意だ」「成程ね」「ところで、もう一つ、相生町の煎餅(せんべい)屋の家を音次郎が飛び出したのは、亥刻(よつ)(十時)少し前だ――本人はそれを亥刻(よつ)(十時)過ぎのやうに叔母さんに呑込ませようとしたのは、少し臭いぢやないか」「?」「音次郎は、相生町から鍋町まで驅けつけ、打ち合せの通りお京が三芳屋から脱け出すと、入れ換つてそつと忍び込み、晩酌をやつて、ぐつすり寢込んで居る叔父の彦兵衞を、傳三の小屋から持つて來た澁引(しぶひき)の細引で掛めた――こんな細引を使つたのは、下手人は外から入つたと思はせる爲で、三芳屋などにはない物を選つたわけだ」「なアーる」「三百兩は欲しいわけぢやないが、泥棒の仕業と思はせる爲に盜つて、邪魔になるから縁の下に埋め、お京の後を追つて大川端へ飛んだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
萩原朔太郎 「宿醉」
...注口(そそぎくち)の附いたのや附かない木の酌器だの...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「いえ」自分がお銚子を奪うように並々と文楽の盃へ酌(つ)いでやると...
正岡容 「小説 圓朝」
...お前も飲んでくれさあ!(と酌をする)お豊 私あよござんすよ喜助 よござんさねえよ...
三好十郎 「樹氷」
...迷惑がるように思われてはと斟酌(しんしゃく)して一間二間はそのままにしてあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...酌をされた盃を持ったまま...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「わかってくれたのね」おのぶは新しい徳利から手酌で一つ飲んだ...
山本周五郎 「さぶ」
...おっ母さん! どうしてそんなことを」母の心を酌みかねて...
吉川英治 「三国志」
...(たれが自分の心を酌んでこう直したのか)と...
吉川英治 「三国志」
...その媒酌人(ばいしゃくにん)をつとめたいと思うのですが」「えっ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...昨今私は毎晩三合づつの晩酌をとつてゐるが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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