...「お嬢さんがブランデーのお酌をなさるなんて珍しいことですな」と云いながら...
谷崎潤一郎 「鍵」
... 175*奠酒を果し隊中をりすべてに酌み與ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...浅山は手酌で、まだそこに飲んでいた...
徳田秋声 「足迹」
...夕方になると竹垣に朝顔のからんだ勝手口で行水(ぎょうずい)をつかった後(のち)そのまま真裸体(まっぱだか)で晩酌を傾けやっとの事膳(ぜん)を離れると...
永井荷風 「すみだ川」
...一人者の気楽に独酌をやっている真っ最中です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...桜井家の媒酌としてその村に行ってからことし九年ぶりになる...
服部之総 「加波山」
...夜は妹を相手にひとりで晩酌をした...
原民喜 「壊滅の序曲」
...またなみなみと酌ぎながら)それでなにか書いたことがあるの...
久生十蘭 「金狼」
...小万は押えて平田へ酌(しゃく)をして...
広津柳浪 「今戸心中」
...お酌をするだアよ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...再婚及び三婚につき適当な斟酌をすれば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...お米さんの御酌で飮みましよか...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...二月十三日に酌源堂(しやくげんだう)に詩会を催し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...縹緻(きりょう)もいいけれどあの娘には恋人があるのよ」叔母は彼の盃に酌をしてやった...
山本周五郎 「竹柏記」
...「お稽古中お騒がせ申して――」「いやその御斟酌(しんしゃく)には及びませぬ...
山本周五郎 「松林蝙也」
...前には由良の利枝と同村で料亭の酌婦をしていたのを...
横光利一 「夜の靴」
...「しかし秋山、貴公は今日返り新参になられた、大月玄蕃様のお顔を見受けたかい」「ウム、夕刻殿様へお目見得で、お錠口へかかる時チラと見受けたよ、大分永い間ご浪人していたそうだが、さすがに昔山陰で鳴らしたご指南番、どうしてなかなかお立派なものだ」「殿様は先程中屋敷へお越しになって、後は一同へご酒(しゅ)下され、ご家老の溝口様も村松様も大分破目をはずしたらしいから、今夜のご酒宴は、今が盛りの頃だろう」「それを思うと吾々は、殿様を中屋敷へお送りした上、手銭手酌で、味気ない安酒宴(やすざかもり)のご満悦が下らなくなるな...
吉川英治 「剣難女難」
...孤寂な老師の心情をふかく酌(く)んでいる者は少ない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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