...しかもその空席のあるのは丁度(ちやうど)僕の右鄰(みぎどおり)である...
芥川龍之介 「鷺と鴛鴦」
...僕の鄰(となり)には新聞記者らしい三十前後の男が二人何か小声に話していた...
芥川竜之介 「歯車」
...人声の沖にて何を呼(よぶ)やらん 桃鄰鼠は舟をきしる暁 翁予其後芭蕉庵へ参(まゐり)とぶらひける時...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...十八日(大正十一年十二月)一游亭足の指を切る人も病み我も病む意太條初霜や藪に鄰れる住み心冬霜よ心して置け今日あした二十五日小穴隆一...
小穴隆一 「二つの繪」
...鄰地の農夫、重藏の所有地に蕎麥店を開く...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...北鄰は待合茶屋なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...近鄰の藝者家の忰ともわけありとの噂あり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...四鄰昼の中よりいつに似ず静にて...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...近鄰いづこも洗濯にいそがはしく...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...たま/\旧妓八重次近鄰の旗亭に招がれたりとて...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...鄰家は思案外史石橋先生の居邸なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...近鄰の園梅既に開くを見る...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...夜雨ふり出し鄰家の竹林風声颯颯たり...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...近鄰の家の戸障子が一斉に明け放されるせいでもあるか...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...容姿艶麗そのいまだ嫁せざるや近鄰称するに四谷小町(よつやこまち)の名を以てしたりしといふ...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...分(ぷん)にならるる娵(よめ)の仕合(しあはせ)利牛はんなりと細工に染る紅うこん 桃鄰鑓持ちばかり戻る夕月 野坡という劈頭に引用されている『炭俵』の一節からは...
中谷宇吉郎 「民族的記憶の名残」
...あとより来りし四五人づれの旅客かにかくと談判の末一人十銭のはたごに定めて鄰の間にぞ入りける...
正岡子規 「かけはしの記」
...現に近年物故した川北朝鄰(ともちか)翁のごときもそんなことをいっていられた...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
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