...房州のごく辺鄙なある漁師町へ避暑に出かけたことがあります...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...稀世(きせい)の宝玉鄙人(ひじん)の一槌(いつつゐ)をうけて亡(ほろ)びたるは...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...ふたたびいつものヴィクトリヤ停車場まえの妙に鄙(ひな)びたすなっぷだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...ぽっと出の佐助にはいずれも鄙(ひな)には稀(まれ)な少女に見えた分けても盲目の春琴の不思議な気韻(きいん)に打たれたという...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...さっぱりとして情け深く寸分鄙吝(いや)しい所なき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...見る人その鄙俚を笑ふこと勿れ」と述べ...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...割に邊鄙な所に少しばかりあります...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...誰一人この辺鄙(へんぴ)な小石川の高台にもかつては一般の住民が踊の名人坂東美津江(ばんどうみつえ)のいた事を土地の誇となしまた寄席(よせ)で曲弾(きょくびき)をしたため家元から破門された三味線の名人常磐津金蔵(ときわずきんぞう)が同じく小石川の人であった事を尽きない語草(かたりぐさ)にしたような時代のあった事を知るものがあろう...
永井荷風 「伝通院」
...□□□□の人々が文明都市から排斥されてだんだん逃げて行く所は○○のような辺鄙な所...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...宿は鎌倉でも辺鄙(へんぴ)な方角にあった...
夏目漱石 「こころ」
...織屋(おりや)は何處(どこ)へ行(い)つても斯(か)ういふ鄙(ひな)びた言葉(ことば)を使(つか)つて通(とほ)してゐるらしかつた...
夏目漱石 「門」
...鄙吝(ひりん)の心を却掃(きゃくそう)し...
福沢諭吉 「中津留別の書」
...石田梅巖の「都鄙問答」に...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...香りたかい草木の芽をあしらった鄙(ひな)びた午食をたべたりしたのち...
山本周五郎 「日本婦道記」
...鄙(ひな)びた珍らしい味で...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どれも鄙びた羞しさで...
横光利一 「旅愁」
...都鄙(トヒ)ニ下ダス...
吉川英治 「大岡越前」
...先帝臣の卑鄙(ひひ)なるを以てせず...
吉川英治 「三国志」
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