...「下田さん、書留ですよ」「おう、郵どん、御苦労だな」長造が、古い馴染(なじみ)の集配人を労(ねぎら)った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...郵便配達とかいうようなものは?」「エ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...こういう不条理な規約書が郵便で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...郵便が来て――抱壺の訃を通知されて...
種田山頭火 「一草庵日記」
...郵便局はよかつた...
種田山頭火 「旅日記」
...卷煙草敷島の袋の松のもようや郵便切手帳の表紙迄も利用して居ます...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...偏奇館漫録を春陽堂に郵送す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...十日、火曜、快晴、寒からず、四時に目醒む、雨ざあ/\と降る、蛙鳴く、六時起床、けさだけ冷水浴やすみ、火鉢を擁して雜談、蛙のいま鳴くのは土中に在りて鳴くのだといふこと、鋸で鯰を捕るといふこと等、八時二十分發車、仙波兵庫といふ男が同室に乘込んで居た、父舊知だ相だ、代議士になつたのでみんなが不思議にして居たのである、尤も二十三年このかた選擧のたび毎に候補に立たないことがなかつたさうだ、つまり根氣で成功したのだ、しかし人物が屑なので困る、雨がやんだ、空がはれかゝつた、笠間驛へつく、父はこゝに下車、叔父の家へ行くのである、自分は乘りつゞける、岩瀬で仙波は下りた、紫の褪めきつた風呂敷包と、破れた鞄とを持つて居た、夕方にやうやく家へついた、表の廣間に妹の仕立物がならべてある、かね/″\見たいと村の者がいつて居たので女房達を呼んで見せたのだ相だ、もう大勢かへつた趾(ママ)で三四人しか居なかつた、茶の間には茶碗や盃が狼藉として居る、一升も熬つた豆が忽ちに平げられたといふ話である、子供達が學校から歸つて見に來た、彦といふ七八つの兒が感に堪へたさまで二拾錢銀貨二つかけた位は出たらうといつたので大笑ひをした、庭の梅散りしきて白し、十一日、曇、泣き出しさうなり、郵便左千夫より、日本週報課題春雨の歌に就いて詳細の論である、……今出たのを見ると君のは意外に少ない……君のは四首や五首ではあるまい、外の歌はどんな歌か見せ給へ、例令人々考が異りたりとて半數以上を削るは削る方が無理か詠者が無理かお互に少し注意せねばならぬと思ふ、實際歌がよくないとすれば半數も削られるやうな歌を送るは選者を困らせること少なからず、同人間ではこの邊少し考へねばならぬ……これがその冒頭だが、自分の作つたのは二十首で入選の歌は四首、半數どころか五分の一のみ、これは作者の惡いのであつた、返事を書かとしたが筆が澁つたのでよす、かういふことはたび/\である、頭のわるいこと醉へるが如くである、午後、至急の郵便を出すため宗道へ行く、斬髮、夜に入りてかへる、甘酒を作るために焚いた飯へ餡をのせてくふ、卵のふわ/\、葱と鰌の汁、樒柑(ママ)の霜よけ、牡丹の霜よけ取拂ふ、梅やゝだらける、自分の座敷へ箪笥や長持を運び込まれたので急に狹くなつた、十二日、木曜、朝雨、忽ちにして霽、午後、妹の鏡臺に手入れする所があつたので杉山の建具屋へ行く、貧乏な淋しい店先で自分はかゞんだまゝ見て居ると建具屋が突然立つて勝手の戸をあけるや否やひどい叫び聲をした、火が一面に燃え揚つて居た...
長塚節 「十日間」
...郵便切手の肖像にあるような顎髯を生やしてくれ...
久生十蘭 「魔都」
...そこへ今度は郵便局長が弾機附馬車でやって来た...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...郵便局は波止場から十町もはなれているという...
平林初之輔 「頭と足」
...その郵便局の前には...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...ロシアの一外交郵便夫が...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...その外交郵便夫の人物に関して...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...大使館へ出頭して外交郵便夫の役目を果すと同時に失踪(しっそう)してしまった...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...その書類なども新聞記者が郵便局から探し出して来て大きな写真にして掲載したりしたが...
牧逸馬 「土から手が」
...まるで郵便船でも出るように...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...郵便局の主人公だろ?」とそのかみさんはいった...
山本周五郎 「季節のない街」
便利!手書き漢字入力検索