...長崎で私に郵便物の大きな包みを持って来て呉れた英国砲艦の軍医に会った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...露のおりてゐる郵便箱を主人が開けて見ると...
犬養健 「姉弟と新聞配達」
...この時の学校は那覇の郵便局の所にあった...
伊波普猷 「私の子供時分」
...この二友に別々に送つた郵便物が屆かなかつたことのある上に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...書留郵便料十銭を節約するには一銭不足の郵便を出せば不足税とも二銭で八銭の利あり...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...ごはんをたべるぶんには、いま手許にお金が無くても、それは米屋、酒屋と話合った上で、どうにかやりくりして、そんなに困ることもあるまいけれど、煙草、郵便代、諸雑費、それに、湯銭、これらに、はたと当惑するのだ...
太宰治 「春の盗賊」
...連山関(れんざんかん)の郵局...
谷譲次 「踊る地平線」
...毎日待つてゐるのは――そしてそれが楽しみのすべてといつていゝが――朝は郵便...
種田山頭火 「其中日記」
...郵便も来ない日のつくつくぼうし・風が雨となる案山子を肩に出かける・電線とほく山ふかく越えてゆく青葉・竹の葉のすなほにそよぐこゝろを見つめる昼ふかく虫なく草の枯れやうとして・てふてふもつれつつかげひなた(楠)・風鈴しきり鳴る誰か来るやうな九月十一日秋晴...
種田山頭火 「其中日記」
...今日此頃の私の日課┌八時に郵便午前は仕事┤└十時に新聞午後は散歩...
種田山頭火 「松山日記」
...郵便局の為替(かわせ)受け口には...
田山花袋 「田舎教師」
...つぎには郵便局の雇員になって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...常見からの速達郵便が届いて...
豊島与志雄 「白い朝」
...一方(ひとかた)ならぬ其(そ)の不成績に対する教師の注意書(ちゆういがき)が郵便で母親の手許(てもと)に送り届けられた...
永井荷風 「すみだ川」
...郵便局長や裁判所長ばかりか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...本年は年賀郵便なし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...日記で見ると、年の暮に弟の友達と自分の知人(しりびと)を新年の歌留多会へ招待することを姉弟して相談した上で客の顔振(かおぶれ)も確定したのだけ記してあったが、僕は善太郎の学友の名を暗記しておいた、彼女(かれ)は義父の圧迫や、空虚な家庭内の淋しき生の悩みなどで神経的な沈鬱な性情に変化していたことは日記や書籍を通じてうかがい知れる、けれども近頃読で居た地袋の新刊書籍(もの)から測るに、その煩悶を信仰によって救われて居る、その信仰に走った刺戟(しげき)と機会とを与えたものがあるね、それは、此紙包を見給え、火鉢の中から出てきた燐寸(マッチ)の燃滓(もえかす)と紙を焼いた灰だ、彼女は莨(たばこ)を喫(のま)ないぜ、この燃殻(もえかす)の紙は脅迫状の紙と同質なんだ、机の下から発見した半巾(ハンカチーフ)ね、あれには手紙を包んであった皺が瞭然(はっきり)残って、しかもナフタリンの匂(におい)が沁(し)みこんで居た、箪笥の中にあったものたることは疑われない、然りとすれば脅迫状の主と、娘とが常から通信をやっていたことになるね、不届な郵便屋だ、ここに捕縛して来た、こりゃ君、女学校で用(つか)う手芸用の箆(へら)だよ、此奴が裏の塀の根元を掘て手紙を埋めたり掘出したりした奴さ、塀の内外(うちそと)は夜なら誰にも知れず一仕事やれるからね、脅迫状にも細かく折った筋が残っていたね覚えて居るだろう、それで近頃衣類を新しく調(こし)らえた形跡がなくて、通信用の書簡箋を鑑定するに及んで物資の窮乏を感ぜない、まア資産階級の仕業(しごと)と判った...
山下利三郎 「誘拐者」
...二三町先の荒物屋の前まで郵便を出しに参りましたので...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
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