...予はまずその郵書を手にするより父の手にて記されたる我が姓名の上に涙を落したり...
饗庭篁村 「良夜」
...手紙があゝして郵便受に入つてるんですもの...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...院長(ゐんちやう)は親友(しんいう)の郵便局長(いうびんきよくちやう)の立歸(たちか)へるのを...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...日本郵船の欧州航路の船なども...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...行手けふも高い山が立つてゐる白犬と黒犬と連れて仲のよいこと山の水のうまさ虫はまだ鳴いてゐる・父が掃けば母は焚いてゐる落葉蔦を這はせてさりげなく生きてゐるか駄菓子ちよつぴりながらつ(マヽ)てゐるあるだけの酒はよばれて別れたが・豊年のよろこびの唄もなし・米とするまでは手にある稲を扱ぐ茄子を鰯に代へてみんなでうまがつてゐる留置郵便は端書...
種田山頭火 「行乞記」
...今日は郵便やさんは来ないのか...
種田山頭火 「其中日記」
...やつと郵便やさんが来てくれた...
種田山頭火 「其中日記」
...荻生さんが心配して忙しい郵便事務の閑(すき)をみて...
田山花袋 「田舎教師」
...郵便局の通知状か安葡萄酒(やすぶどうしゅ)の栓(せん)にしか使わないような代物(しろもの)だった...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...郵便為替で三千ルーブル送って来て欲しいと頼んだのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...一封の書留郵便が来た...
豊島与志雄 「反抗」
...二日の速達が今日十五日に届くのですから相変らず郵便物は遅れるのですね...
原民喜 「書簡」
...署長はポケットからいま受け取った速達郵便を封のまま出して見せました...
平林初之輔 「祭の夜」
...生前同町の郵便局に勤めていた二十二歳の Sandrra G. Baxter という美しい女の二日前に埋めた許りの死屍(しかばね)が掘り返され...
牧逸馬 「双面獣」
...車夫が、運転手が、郵便配達が、船内の乗組員が、その他あらゆる外人に雇われているものがいなくなった...
横光利一 「上海」
...膝(ひざ)ぼしまで水に漬(つか)つた郵便配達夫を人の木が歩いて来たのだと見ると...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...督郵も、ちぢみ上がって、「なんじゃ、待て、乱暴なことをするな」と、ふるえ声で、逃げかけるのを、張飛はとびかかって、「どこへ行く」軽く一つ撲ったが、督郵は顎(あご)でもはずしたように、ぐわっと、歯をむいたままふん反(ぞ)った...
吉川英治 「三国志」
...小包郵便の宛書きや小札(こふだ)の類までも...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
便利!手書き漢字入力検索