...誰方(どなた)かに向っての姉さんの心意気では……お邪魔になるでございましょうよ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...一ばん医者や看護婦の邪魔にならない正午から午後三時までに限られる...
滝沢敬一 「ブイヨン・ドンゾール」
...そうかなあ」「そうとも邪鬼だよ...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...そして一つの車室のうちに向い合って置かれるだけでも相手の顔が邪魔になるので...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そんな風に私の邪魔をするとは容赦はならんぞ』事柄の無気味なに拘らず...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...單に掖邪狗とのみありて...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...「風邪をひくよ、風邪を、変な真似をするなということよ」「いいから、黙って最後まで見届けるんだ」「な、なにをする!」丸山勇仙が、非常に狼狽して仏頂寺の膝にとりついたのは、彼が第三次の事業として、畳紙(たとう)をひろげて二つに折り、それから刀を取って膝の上に置き、やおら鞘(さや)を外(はず)してしまって、その程よきところを畳紙に持添えて構えたのが、どうしても切腹に取りかかるもののふの作法とよりほかは受取ることができないので、丸山勇仙が眼の色をかえて仏頂寺の膝にとりついた時に、仏頂寺は、「何だ、丸山、貴様とめるつもりか、拙者が覚悟をきめて、尋常に死にくたばろうとするのを見て、いまさら貴様が留立てをしようとするのは奇怪だ、留めるなら留めるだけの意義と理由を以て留めろ」仏頂寺弥助が傲然(ごうぜん)と叱咤(しった)するのを、丸山勇仙はテレきって、「意義も理由もありゃしない、予告なしに眼前で腹を切ろうという奴を、友人の身として見ていられるか、いられないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...御隱居は間もなく死んだが、猫は匕首を背負つて生垣のところまで逃出し、邪魔になるから、無性に首を振つたことだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奥歯がいつも風邪をひきますの...
久生十蘭 「キャラコさん」
...逡巡(しゅんじゅん)いたしておれば得てして邪魔がはいるもの...
本庄陸男 「石狩川」
...邪視の字が出おる『普賢行願品』は...
南方熊楠 「十二支考」
...金吾老人は終戦の次ぎの年の秋ごろ二三日風邪をひいて寝ているうちに...
三好十郎 「樹氷」
...ことに電線が邪魔になる位な巨大な紙張りの人形を作り...
柳田国男 「年中行事覚書」
...それとも二人の邪魔にならないやうにと...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...「邪魔になる」といったのはここのこと...
吉川英治 「江戸三国志」
...「そっちへ行ってはあぶない」また「こっちで騒ぐとお兄さまのお勉強の邪魔になる」などと走り廻って見ているうちに...
吉川英治 「私本太平記」
...きょうまでの魔邪(まがつみ)は水に流し...
吉川英治 「新・水滸伝」
...なお邪教を道へ撒(ま)こうといたすか...
吉川英治 「親鸞」
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