...全部十七篇の物語の中にヘルンの怪談趣味は遺憾なく盛り尽された感があります...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...もって文庫の使命を遺憾なく果たさしめることを期する...
岩波茂雄 「読書子に寄す」
...遺憾なく成金を発揮してゐるが...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...上陸して更にその遺憾なく近代的なお為着せを着てゐる街の東京ぶりに驚く...
高村光太郎 「気仙沼」
...この如來形像の一木造りの殘缺も遺憾なく當時傳來の技法を示してゐる...
高村光太郎 「唐招提寺木彫如來形像」
...それこそ淫婦(いんぷ)の面魂(つらだましい)を遺憾なく露(あら)わした形相(ぎょうそう)でした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その思想統制を遺憾なく漫画化した点に於て...
戸坂潤 「思想動員論」
...河野本来の面目を遺憾なく発揮したものである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...この間に先生の歴史物または考證文學は遺憾なく完成された...
永井荷風 「鴎外記念館のこと」
...初めて水素原子のスペクトルについて遺憾なく説明を施した...
長岡半太郎 「物理學革新の一つの尖端」
...ここに遺憾なく曝露され...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...秀抜なその廓噺の中でも就中大正の吉原情調遺憾なく横溢した名篇であると云へよう...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...柔かい背に遺憾なく顕わして...
宮本百合子 「餌」
...この一事でも遺憾なく説明されている...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...私はどうしてこれに気付かなかったのであろう……この三人の間にはちゃんとした脈絡のある事を紫のハンカチが遺憾なく証明しているではないか...
夢野久作 「暗黒公使」
...遺憾なく昔の通りに行われております...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ことに女の体の清らかな美しさを遺憾なく発揮した所は嘆賞に価する...
和辻哲郎 「院展遠望」
...それ自身においては「文化」を意味し得るようなものでないということを遺憾なく立証した...
和辻哲郎 「世界の変革と芸術」
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