...全部十七篇の物語の中にヘルンの怪談趣味は遺憾なく盛り尽された感があります...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...遺憾なく用務を便ずることが出来る...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...昔の文芸を遺憾なく改革して了つたのは!今の小説は...
田山録弥 「小説新論」
...あの粗ツぽく力強い筆致に遺憾なく描破されて居る...
田山録弥 「文壇一夕話」
...それを遺憾なくわからす術(すべ)のないのが焦躁(もどか)しかった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...この三拍子が遺憾なく打揃(うちそろ)うという事は人生容易に遇(あ)いがたい偶然の機を俟(ま)たねばならぬ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...遺憾なく思い返させた...
永井荷風 「深川の唄」
...人の心に食い込む秋思の傷みを咏(えい)じ尽(つく)して遺憾なく...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...全く自分達の無学無識ぶりを遺憾なく発揮していて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...ここにストア派の賢者の有様が遺憾なく言い現わされているのを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...遺憾なく潟の美點を發揮して居るのであります...
柳田國男 「潟に關する聯想」
...カルロ・ナイン嬢の身体(からだ)にはこれ等のすべての条件が遺憾なく備わっているばかりでなく...
夢野久作 「暗黒公使」
...野性亜米利加人そのままの気魄を遺憾なく発揮したものであった...
夢野久作 「暗黒公使」
...混沌たるバラック都市の裡面に遺憾なく魔力を揮っている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...この欠陥は現代の婦人(勿論男子も)の性格の上に遺憾なく現われている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...……但(ただし)新聞社には遺憾なく手を廻わしたものと見えて...
夢野久作 「爆弾太平記」
...百名は遺憾なく近来の慾をみたした...
吉川英治 「三国志」
...観心寺(かんしんじ)の如意輪観音(にょいりんかんのん)に密教風の神秘性が遺憾なく現われているとすれば...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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