...されどこの間われは遺憾なくこのまつりの興を受用し盡せり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...大隊長の指揮につき「大隊戦闘の本旨は諸般の戦況に応じ大隊長の的確かつ軽快なる指揮と各隊の適切なる協同とに依り大隊の戦闘力を遺憾なく統合発揮するにあり」と述べ(第四百八十)更に「……戦況の推移を洞察して適時各隊に新なる任務を附与し……自己の意図の如く積極的に戦闘を指導す」(第五百四)と指示している...
石原莞爾 「戦争史大観」
...男性を引きつくる女性の弱々しさが遺憾なくその根本の思想に表はされてゐる...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...共に天稟(てんぴん)の智能を遺憾なく教育せしむることとなっている...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...それが日本の力に触れて忽(たちま)ち薄弱なる実力の遺憾なく外面に暴露され...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...昔の文芸を遺憾なく改革して了つたのは!今の小説は...
田山録弥 「小説新論」
...河野本来の面目を遺憾なく発揮したものである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其れ等の思ひを遺憾なく云ひ現(あらは)した日本語の歌があるかどうかと考へた...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...それらの感情は新しい画工のいわば稚気(ちき)を帯びた新画風と古めかしい木板摺の技術と相俟(あいま)って遺憾なく紙面に躍如としている...
永井荷風 「日和下駄」
...毒婦が遺憾なく其の本領を発揮する場合には観客は道義的批判を離れて...
永井荷風 「虫干」
...初めて水素原子のスペクトルについて遺憾なく説明を施した...
長岡半太郎 「物理學革新の一つの尖端」
...ところがこの好奇心が遺憾なく満足されべき画竜点睛(がりょうてんせい)の名前までいよいよ読み進んだ時...
夏目漱石 「手紙」
...其迹には反撥せられてゐる茶山の心理状態が遺憾なく数句の中に籠められてゐて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」問題は此に遺憾なく解決せられた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...遺憾なく示している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かようにして遺憾なく証明されるのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...こうした土木建築にも遺憾なくあらわれた...
吉川英治 「三国志」
...ことに女の体の清らかな美しさを遺憾なく発揮した所は嘆賞に価する...
和辻哲郎 「院展遠望」
便利!手書き漢字入力検索