...遺憾なく用務を便ずることが出来る...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...上陸して更にその遺憾なく近代的なお為着せを着てゐる街の東京ぶりに驚く...
高村光太郎 「気仙沼」
...その人生的な味いとを魂もろとも遺憾なく表現している...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...殊にさういふ長所を遺憾なく発揮してゐる...
田山録弥 「社会と自己」
...原子電子の存在を仮定する事によって物理界の現象が遺憾なく説明し得られるからこれらが物理的実在であると主張するならば...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...またいろいろの余儀ない故障のために親戚(しんせき)のものだれ一人片付けに行く事のできなかった遺物の処理までも遺憾なく果たしてくれた...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...こゝにも亦遺憾なく掬(きく)することができるやうな気がするのである...
永井荷風 「勲章」
...其れ等の思ひを遺憾なく云ひ現(あらは)した日本語の歌があるかどうかと考へた...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...この三拍子が遺憾なく打揃(うちそろ)うという事は人生容易に遇(あ)いがたい偶然の機を俟(ま)たねばならぬ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...この風土特種(とくしゅ)の感情を遺憾なく発揮する処に...
永井荷風 「霊廟」
...その明智の冴えを遺憾なく語つてゐるものであらう...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...人の心に食い込む秋思の傷みを咏(えい)じ尽(つく)して遺憾なく...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...この欠陥は現代の婦人(勿論男子も)の性格の上に遺憾なく現われている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...所持品等も遺憾なく調査してみましたが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...心理遺伝の発作である事を遺憾なく説明しているのだ……すなわち狐憑きはその発作の最中に妙な獣(けもの)じみた身振りをしたり飯櫃(めしびつ)に面(つら)を突込んだり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...本人の体質がその事実を遺憾なく証明している事を...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...かようにして遺憾なく証明されるのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...鼻の表現までも遺憾なく支配し得たものと認め得べき理由があります...
夢野久作 「鼻の表現」
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