...個性は無意味な用材の為めに遺憾なく押しひしがれて...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...老親の希望を遺憾なく満足させるは...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...泡鳴氏が本当におひとよしだと云ふことは此度の事件に就いても遺憾なく発揮されました...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...もって文庫の使命を遺憾なく果たさしめることを期する...
岩波茂雄 「読書子に寄す」
...共に天稟(てんぴん)の智能を遺憾なく教育せしむることとなっている...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...もう体は遺憾なく束縛されて何うすることも出来なくなつてゐた...
田山録弥 「百日紅」
...殊にさういふ長所を遺憾なく発揮してゐる...
田山録弥 「社会と自己」
...昔の文芸を遺憾なく改革して了つたのは!今の小説は...
田山録弥 「小説新論」
...あの粗ツぽく力強い筆致に遺憾なく描破されて居る...
田山録弥 「文壇一夕話」
...ただ三色版などで見るこれらの絵について自分が多少でも面白味を感ずる色彩の諧調は津田君の図案帖に遺憾なく現われている...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...個性の表現は遺憾なく現はされたりと考ふ...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...ビビイは彼の技巧のさえを遺憾なく発揮した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...こんなことにまで遺憾なく内気さを見せて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々の判断の無力を遺憾なく証拠だてるものである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...同曲の荘厳と緊張味とを遺憾なく発揮し得なければ...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...混沌たるバラック都市の裡面に遺憾なく魔力を揮っている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...やくざな性(しょう)を遺憾なく身装(みなり)にあらわした二十二...
吉川英治 「宮本武蔵」
...観心寺(かんしんじ)の如意輪観音(にょいりんかんのん)に密教風の神秘性が遺憾なく現われているとすれば...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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