...この話を、久しい以前に、何かの本で見た作者は、遺憾ながら、それを、文字通りに記憶していない...
芥川龍之介 「仙人」
...遺憾ながらアラビアの一里は四〇〇〇エルレに当るというだけで...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...「川上機関大尉が帰らぬというが本当か」それは遺憾ながら本当のことだった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...原子電子の存在を仮定する事によって物理界の現象が遺憾なく説明し得られるからこれらが物理的実在であると主張するならば...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...何人(なんぴと)も真面目(まじめ)にこれを聞くものなきぞ遺憾なる...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...遂にその職に殉じたる警察官の行績は遺憾なく警察精神を顕現し吏道の精髄を発揚せるもの」だという...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...然れども遺憾ながらここにこれを訳述する事能(あた)はざるを以て...
永井荷風 「江戸芸術論」
...しかしここに来(きた)るまでの崖の小径と周囲の光景とは遺憾なく私ら二人を喜ばしめた...
永井荷風 「日和下駄」
...壁の上には一体どんなものが印刻されていたとお思いになりますか?……犯人にとってははなはだ遺憾な結着ですが...
久生十蘭 「魔都」
...同じく遺憾ながら予は途方に暮れざるを得ないことを告白する...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...演奏場などその他万般の設備を遺憾なく整え...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その話をきくと殺風景な点が多いのは遺憾なことである...
正岡子規 「病牀六尺」
...舎利弗われこの少しの物を持ったばかりに梵行人をして我を怪しましめたは遺憾なり...
南方熊楠 「十二支考」
...こんなことにまで遺憾なく内気さを見せて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その師が誰であったかは遺憾ながら詳(つまびらか)でない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...遺憾なく抹消するに足る意外千万な鍵を指示している事を筆者は明言して憚らない者である...
夢野久作 「二重心臓」
...かようにして遺憾なく証明されるのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...遺憾ながらわが兵は疲れ...
吉川英治 「三国志」
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