...遥かな砂山の所をお婆様(ばあさま)を助けながら駈け下りて来るのでした...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
......
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...「シャンソン 遥かなるサンタ・ルチア」も出ない...
海野十三 「間諜座事件」
...どんな遥かな隔りがあろうと...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...遥かな距離の水上にやはり一つ一つ銭ほどの葉を浮かべているのでありました...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...その時初めて遥かなる川上の方から人声がきこえて来た...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...海を越えて遥かなイタリアの彼方...
寺田寅彦 「イタリア人」
...遥かなる過去の一時期に西は埃及(エジプト)から東は米大陸に至るまでの広汎(こうはん)な地域を蔽うた共通の「古代文明の存在」を仮定する...
中島敦 「環礁」
...遥かなる海岸線にまでくだっている...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...その姿は私などの言葉は断乎として届かぬ遥かなるものゝまぼろしとうかがへるのみだつた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...遥かな夢の柔らかなしかも鋭い芳香を運んで来る風の――強い風の圧力を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...憧れいでて野に来れば草短くて 涙すによしもなけれど遥かなるもう思ふゆゑ嘆かるる...
三木清 「消息一通」
...無上の国といえば何か遥かな彼岸(ひがん)に在るとも思われるが...
柳宗悦 「民藝四十年」
...やはり遥かなる海の彼方(かなた)から...
柳田国男 「海上の道」
...是も最初にはやはり遠く遥かなという意味をもち...
柳田国男 「海上の道」
...眼も遥かな下の線路に大の字形(なり)にタタキ付けられている彼自身の死骸を見下したかのように...
夢野久作 「木魂」
...法正は遥かな山を指し示して...
吉川英治 「三国志」
...その芝山の重なりの間に、遥かな末に、例の如く端然とほの白く聳えているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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