...遥々(はるばる)としたものであった...
泉鏡花 「霰ふる」
...長く波形になって遥々(はるばる)と何処までともなく奥の院の雲の果まで...
泉鏡花 「遺稿」
...遥々(はるばる)欧洲の戦場に参戦して不幸にも陣歿したわが義勇兵たちのため建立(こんりゅう)してあった忠魂塔と...
海野十三 「東京要塞」
...遥々(はるばる)万斛(ばんこく)の好意をもって来朝された印度の太子さえも日本一流の大会社にかかっては――一流も一流日本においては三池か三矢かと並び称されるくらいのこの一流大会社の社員たちにかかっては...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そうして遥々(はるばる)迎えにまで来てくれたのだから...
寺田寅彦 「議会の印象」
...遥々(はるばる)の波路をたどってここまで来ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...遥々(はるばる)かけた呼出しに応じないというはずはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...遥々(はるばる)と東海道を下って空(くう)をつくように江戸をめざして進んだ時の...
中里介山 「大菩薩峠」
...遥々(はるばる)印度への旅についた頃から見ると...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...都の花やかさに憧れて遥々と出かけて来た気の利かない田舎の青年が...
牧野信一 「鏡地獄」
...遥々と多摩川のほとりまで出かけて...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...その頃未だ文科大学生であつたRが私の作品を慕つて遥々と訪れ...
牧野信一 「満里子のこと」
...貴公が遥々(はるばる)将(つ)れて来た馬五百疋がいかほどに売れたか...
南方熊楠 「十二支考」
...遥々(はるばる)と船越(ふなこし)村の方へ行く崎の洞(ほこら)あるところまで追い行き...
柳田国男 「遠野物語」
...東京で恋の真似事をしておりました女給の鞆岐(ともえだ)久美子というのが、遥々、北海道まで尋ねて来て、思いがけなく面会に来てくれたのです...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...だがその二人が遥々(はるばる)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...遥々な故国(ここく)へ帰ってゆくのである...
吉川英治 「春の雁」
...胃腸病には日本一だというその山奥の白骨温泉に一箇月間滞在の予定で遥々駿河の沼津からやって来て居り...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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