...行くんなら何時でも行ってやるから……と繰返して言って遠慮がちに出て行った...
犬田卯 「米」
...遠慮がちに男にすがり附く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...遠慮がちに訊いた...
海野十三 「地獄の使者」
...どうか悪く思わないで……」と竜次郎は手足を遠慮がちに伸ばすので有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...ほとんど御老師にでも対するやうに口ごもりながら御遠慮がちにおつしやるので...
太宰治 「右大臣実朝」
...たまに雪子と悦子とが傍から遠慮がちに補足を入れた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それでも遠慮がちに...
豊島与志雄 「子を奪う」
...皆遠慮がちに力を抜いてやらなければいけなかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...屋久島は山と娘をかゝへて重たい島素足の娘と子供は足の裏が白い柔い砂地はカンバスのやうだ遠慮がちに娘は笑ふ飛魚の頃の五月屋久島のぐるりは銀色の魚の額ぶち青い海に光る飛魚のオリンポスだ...
林芙美子 「屋久島紀行」
...遠慮がちに「痛あーい」とうめいた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...小倉のそばに遠慮がちにすわりながら...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...もう遠慮がちに何も語らなかつた...
原民喜 「魔のひととき」
...その前を遠慮がちに通り過ぎて往ってから...
堀辰雄 「姨捨」
...又遠慮がちに道綱のところに御自身でも入らしったりなすっているらしい...
堀辰雄 「ほととぎす」
...「母さんは何時頃から出かけて?」遠慮がちにではあったが...
堀辰雄 「三つの挿話」
...で、ごく遠慮がちに、――……ぼく...
山川方夫 「お守り」
...女ひとりと、いわれたので、彼はつつましく、土間の榾薪(ほたまき)に、腰をおろし、火桶に顔をかざしながら、話も遠慮がちに、黙然と、吹き荒るる雪の音を聞いていた...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...遠慮がちにだが、その武士は、正成へ頼んでいた...
吉川英治 「私本太平記」
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