...行くんなら何時でも行ってやるから……と繰返して言って遠慮がちに出て行った...
犬田卯 「米」
...夏の夜をうちわ使う音さえ遠慮がちに...
岩野泡鳴 「耽溺」
...遠慮がちに笑って...
海野十三 「地獄の使者」
...どうか悪く思わないで……」と竜次郎は手足を遠慮がちに伸ばすので有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...ほとんど御老師にでも対するやうに口ごもりながら御遠慮がちにおつしやるので...
太宰治 「右大臣実朝」
...それでも遠慮がちに...
豊島与志雄 「子を奪う」
...皆遠慮がちに力を抜いてやらなければいけなかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...大層遠慮がちに訪ずれた...
長谷川時雨 「西川小りん」
...遠慮がちに「痛あーい」とうめいた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...黒江氏が、チョコレートをすすりながら、遠慮がちに、つぶやくような声で、いった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...頭の君も何かと遠慮がちになされて...
堀辰雄 「ほととぎす」
...又遠慮がちに道綱のところに御自身でも入らしったりなすっているらしい...
堀辰雄 「ほととぎす」
...遠慮がちに彼の方に並んで歩いている連中が自分に必要であると感じた...
本庄陸男 「石狩川」
...女を悲しがらせ遠慮がちにならせる...
室生犀星 「花桐」
...遠慮がちに感ずるであらうか...
柳宗悦 「雑器の美」
...女ひとりと、いわれたので、彼はつつましく、土間の榾薪(ほたまき)に、腰をおろし、火桶に顔をかざしながら、話も遠慮がちに、黙然と、吹き荒るる雪の音を聞いていた...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...遠慮がちにだが、その武士は、正成へ頼んでいた...
吉川英治 「私本太平記」
...はじめは遠慮がちに...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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