...初対面の時には人並みはずれて遠慮がちだったくせに...
有島武郎 「或る女」
...ともに黒岩氏に對しては極めて遠慮がちでありました...
石川三四郎 「浪」
...をかしな遠慮がちの鞘當てがあつたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どうか悪く思わないで……」と竜次郎は手足を遠慮がちに伸ばすので有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...最初は遠慮がちであつたおみくじ屋の老人が...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...初心(うぶ)な若さにつきものの遠慮がちな角(かく)ばった様子やぎごちのない気持が取れず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...皆遠慮がちに力を抜いてやらなければいけなかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...遠慮がちな顔を半分ほど中へ出した...
夏目漱石 「明暗」
...屋久島は山と娘をかゝへて重たい島素足の娘と子供は足の裏が白い柔い砂地はカンバスのやうだ遠慮がちに娘は笑ふ飛魚の頃の五月屋久島のぐるりは銀色の魚の額ぶち青い海に光る飛魚のオリンポスだ...
林芙美子 「屋久島紀行」
...小倉のそばに遠慮がちにすわりながら...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...頭の君も何かと遠慮がちになされて...
堀辰雄 「ほととぎす」
...又遠慮がちに道綱のところに御自身でも入らしったりなすっているらしい...
堀辰雄 「ほととぎす」
...「母さんは何時頃から出かけて?」遠慮がちにではあったが...
堀辰雄 「三つの挿話」
...バタバタと鳴る拍手――その拍手さえ小せんにおくるお客たちのは妙にさびしく遠慮がちだったのを...
正岡容 「寄席行燈」
...遠慮がちに感ずるであらうか...
柳宗悦 「雑器の美」
...常は物数の少ない遠慮がちな家刀自(いえとじ)...
柳田国男 「木綿以前の事」
...極めて遠慮がちに坐りかけると...
吉川英治 「上杉謙信」
...「では、わしから話すとするか」藤九郎盛長は、少し遠慮がちに、こう断ってから、一同へ告げた...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??