...初対面の時には人並みはずれて遠慮がちだったくせに...
有島武郎 「或る女」
...園が不断から言葉少なで遠慮がちな男だとは知っていたけれども...
有島武郎 「星座」
...奥様の遠慮がちなお言葉のなかにその様子が感ぜられた...
犬養健 「愚かな父」
...行くんなら何時でも行ってやるから……と繰返して言って遠慮がちに出て行った...
犬田卯 「米」
...夏の夜をうちわ使う音さえ遠慮がちに...
岩野泡鳴 「耽溺」
...腕節のつよそうなリキーに遠慮がちに...
海野十三 「太平洋魔城」
...検事には遠慮がちに...
海野十三 「蠅男」
...どうか悪く思わないで……」と竜次郎は手足を遠慮がちに伸ばすので有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...出先でも遠慮がち――というよりも融通の利く当てがなくなったところから...
徳田秋声 「縮図」
...次官談の形式で遠慮がちに小さい声で声明することに決した...
戸坂潤 「社会時評」
...遠慮がちな顔を半分ほど中へ出した...
夏目漱石 「明暗」
...父にまで遠慮がちなれば自づから詞(ことば)かずも多からず...
樋口一葉 「ゆく雲」
...又遠慮がちに道綱のところに御自身でも入らしったりなすっているらしい...
堀辰雄 「ほととぎす」
...彼が自己を語ることに余りに遠慮がちであったと非難するよりほかには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...遠慮がちに感ずるであろうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...善人で遠慮がちなこの人が...
吉川英治 「上杉謙信」
...「では、わしから話すとするか」藤九郎盛長は、少し遠慮がちに、こう断ってから、一同へ告げた...
吉川英治 「源頼朝」
...それらについてかくも遠慮がちに彫った古きものどもの心底に流れていた恐れがどれほど道理に適い...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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