...その議論を聞くことも遠慮がちにせざるを得ませんでした...
石川三四郎 「浪」
...可なり遠慮がちながらも話されるのでありました...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...をかしな遠慮がちの鞘當てがあつたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...遠慮がちに笑って...
海野十三 「地獄の使者」
...ほとんど御老師にでも対するやうに口ごもりながら御遠慮がちにおつしやるので...
太宰治 「右大臣実朝」
...あれは何者ですか?」「ダンという男です」医者はたしかに遠慮がちに言つた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...出先でも遠慮がち――というよりも融通の利く当てがなくなったところから...
徳田秋声 「縮図」
...この出来事が健三に対する姉を前よりは一層遠慮がちにした...
夏目漱石 「道草」
...「御免(ごめん)なさい御免(ごめん)なさい」と遠慮がちなることは...
新渡戸稲造 「自警録」
...大層遠慮がちに訪ずれた...
長谷川時雨 「西川小りん」
...屋久島は山と娘をかゝへて重たい島素足の娘と子供は足の裏が白い柔い砂地はカンバスのやうだ遠慮がちに娘は笑ふ飛魚の頃の五月屋久島のぐるりは銀色の魚の額ぶち青い海に光る飛魚のオリンポスだ...
林芙美子 「屋久島紀行」
...バタバタと鳴る拍手――その拍手さえ小せんにおくるお客たちのは妙にさびしく遠慮がちだったのを...
正岡容 「寄席行燈」
...遠慮がちに感ずるであろうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...たんば老人の遠慮がちな意見によれば...
山本周五郎 「季節のない街」
...善人で遠慮がちなこの人が...
吉川英治 「上杉謙信」
...「では、わしから話すとするか」藤九郎盛長は、少し遠慮がちに、こう断ってから、一同へ告げた...
吉川英治 「源頼朝」
...それらについてかくも遠慮がちに彫った古きものどもの心底に流れていた恐れがどれほど道理に適い...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...はじめは遠慮がちに...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索