...瞬きもせぬ一双の眼だけが遠い空の星の様...
石川啄木 「病院の窓」
...あるいは意外の幸運に心も躍って道の遠いのも知らずにゆく人もあろう...
伊藤左千夫 「去年」
...遠い縁者に養われる身であった故か...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...………幼い頃の遠い夢をでも辿(たど)るような気がするのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...すなわち観客を背にして遠い砂漠の果ての地平線に向かって進行する...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...「どうも遠い旅に出られないんでね...
徳田秋聲 「草いきれ」
...最も死に縁遠いものこそ...
豊島与志雄 「生活について」
...女らしいだけに遠い將來を慮れと望むのはそれは無理でした...
長塚節 「教師」
...極(きわ)めて縁の遠いものはかえって縁の近いものだったという事実が彼の眼前に現われた...
夏目漱石 「明暗」
...感覺的鬱憂性! それもまた私の遠い氣質に屬してゐる...
萩原朔太郎 「青猫」
...男は下宿だし私が居れば宿料が嵩むし私は豚のやうに臭みをかぎながらカフエーからカフエーを歩きまはつた愛情とか肉親とか世間とか夫とか脳のくさりかけた私には縁遠いやうな気がします...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...此列車からホームまではかなり遠いのです...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
......
林芙美子 「新版 放浪記」
...ビュルゲルが眠りこむ瞬間はまだ見当もつかぬくらい遠い先のことである...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...けれど今では彼女の戀が、それ等を如何にもおぼろげな、遠い、つまらないものに思はせた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...運輸には道が遠い...
吉川英治 「三国志」
...二人の恋ももう遠い過去のものであった...
吉川英治 「親鸞」
...そんな人の好意なしでは僕のやうに病人のしかもこんな遠い所にゐるものが中央に乗り出すといふことは甚だ心細いことにちがひない」と「のんきな患者」推薦に対する感謝を述べてゐる...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
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