...散らけて遠いところにあるやうに感じられた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...覆面をとらない奴は?」なるほど一番遠い端にいる会員の一人はただ独り覆面をとろうとしない...
海野十三 「流線間諜」
...私の心を見も知らぬ遠い熱帯の国へ繋(つな)ぎ止めていたのであった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そこは遠い越後の高田であった...
壺井栄 「赤いステッキ」
...所謂支那浪人などという概念から遠いものである...
豊島与志雄 「中支生活者」
...「京成電車の驛は遠いんでせうか...
永井荷風 「或夜」
...幽霊爆心地に幽霊が出るといううわさは遠い世間では立っていたようである...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...第一、せせっこましいところが無(ね)え、中原が開けて、海が近く、山が遠い...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして楽に暮らそうって云うのだから六(む)ずかしい」「御国は一体どこなの」「国は新潟県です」「遠い所なのね...
夏目漱石 「野分」
...それは遠い先にあった...
夏目漱石 「道草」
...亥刻(よつ)(十時)前に寝てしまいましたよ」「和助というのは?」「私の遠い従兄(いとこ)ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...遠い夜の世界で螢を一疋...
萩原朔太郎 「螢狩」
...歩きたくもないのに歩かなければ先が遠い感じである...
林芙美子 「なぐさめ」
...まだずいぶん遠いのよ...
ペロー Perrault 楠山正雄訳 「青ひげ」
...わたしたちだって遠いところは乗りたいんです...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...遠い山の前に近い山があった...
室生犀星 「童話」
...遠い将来を考えると...
柳田国男 「年中行事覚書」
...陽に遠いので、夏の日も涼しくはあるが、洞然として中は薄暗い...
吉川英治 「黒田如水」
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