...どんな遠い所の事でも嗅(か)ぎ出して来る利口な犬だ...
芥川龍之介 「犬と笛」
...風景の遠い部分から順々に千切れて見えなくなる...
梅崎春生 「日の果て」
...割合に遠いとも思わずに帰って来た...
橘外男 「逗子物語」
...飲食物なる最も端的な本能的なかたちを採って「遠い祖国」への恋ごころが――可哀そうにも!――動いていることを考えていただきたい...
谷譲次 「踊る地平線」
...歩いてかようにはあまりに遠いから...
壺井栄 「二十四の瞳」
...それらの近いしかも遠い生活がぼんやり彼の心に映ってきた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...遠い鈍痛のこもってるような胃部を押えて...
豊島与志雄 「食慾」
...廊下の遠い端の方で...
久生十蘭 「魔都」
...梅は遠い昔に隣国の支那から来たものだが...
牧野富太郎 「植物記」
...みんな遠い遠いところに目下暮していたり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そういうとき不思議にわずかの間に遠い笛の音色をそらんじ...
室生犀星 「童子」
...そんなに遠いところから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...遠い旅(たび)に出るまえに...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...ともかくもアマミヤ世の遠い昔から...
柳田国男 「海上の道」
...これが遠い近いいろいろの民族の中にもおりおりは経験せられる現象であるのか...
柳田国男 「山の人生」
...遠い国から村を訪れてはるばる神のくることを...
柳田国男 「雪国の春」
...とおせんは眼をつむり遠い人のおもかげを空に思い描いた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...その遠い白い壁が妙に気になった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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