...而もその視野を限る地平線を越えて遙かに遠き事物を透視する不思議な能力を持つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼の生活に較べれば、俺の經驗した世間的歡樂は、遙かに貧しく、遙かに精彩乏しく、遙かに青春の情熱を缺くものであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...遙かにかゞやく御寺と其光を浴(あ)むる市とを見んとす...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...洋服よりも遙かに美しい...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...女といふものは男より遙かに男らしいものである...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...今私が坐つてゐる南向きの二階の窓から遙かに見える高い山々はまだ眞白であるが...
相馬御風 「孤座」
...勁箭を遙かに飛ばす君―われも同じ思にトロイアとアカイア陣のたゞ中に 35來りぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...遙かにコンスタントな内容を持って来るのが当然なのである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...感覚の役割はより遙かに積極的でなくてはならぬ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...遙かに無難な建前に立つことが出来る...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...著しい例として挙げた田口氏のこの歴史叙述が、遙かに、世界大戦直後から日本に於て文化的時局性を帯びて来た史的唯物論に連続していることは、云うまでもなく、そして史的唯物論が今日、歴史科学・社会科学・に関する科学論の圧倒的な内容であることは断るまでもない...
戸坂潤 「最近日本の科学論」
...右舷の後方遙かに一抹の煙とも見える船影を認めて...
牧逸馬 「運命のSOS」
...人間においては動物においてよりも遙かに多く個性が分化してゐることに關係するであらう...
三木清 「人生論ノート」
...近年運動事は東京よりも遙かにさかんだから...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...昔よりは遙かにおびえない眼をもって死を見ている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一枚の紙が風にひら/\と遙かに飛んで行くのを...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...日本の方が遙かに早いであらう...
吉江喬松 「山岳美觀」
...須雲川(すくもがわ)の水音ばかりが轟(ごう)と遙かに耳につく...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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