...それが何日か続いた今日、かうして師匠の枕もとで、末期の水を供する段になると、道徳的に潔癖な、しかも存外神経の繊弱な彼が、かう云ふ内心の矛盾の前に、全然落着きを失つたのは、気の毒ではあるが無理もない...
芥川龍之介 「枯野抄」
...「道徳的に清潔に」と云ふ意味である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...彼は道徳的に強(し)いて自分の行為を律して...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...第二には道徳的には非常な不義が行はれる様になり...
石川三四郎 「農民自治の理論と実際」
...しかも西洋の社会道徳の体得すらも無く道徳的に最も危険なる状態にあるのではないか...
石原莞爾 「戦争史大観」
...即ち強者はあくまで道徳的に弱者に臨むべきであるので...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...道徳的によくないといふ事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...しかしそれにしても道徳的に彼の負いめを相殺(そうさい)するには事が足りた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それは道徳的にさういふのではない...
田山録弥 「三月の創作」
...彼女等と彼女等の親達との蒙を道徳的に啓くと同時に...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...通俗道徳的に信用を博した常識的・通念的・なものが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...道徳的にはしがない私の生涯における最も大きな建設である...
中勘助 「母の死」
...道徳的には此上(このうえ)もなく評判の悪い男でしたが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...彼は家柄から長年にわたって道徳的に優れた資質をはぐくんできたが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...嘘吐くことでさへもが阿ることよりも道徳的にまさつてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...道徳的に自覚的であるということは...
三木清 「哲学入門」
...道徳的にも潔白であるような顔ばかりするのとは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ようやく色欲物欲を解脱してちょっと道徳的に善くなったように見えても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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