...その代り、留置場入りは、枚挙に遑がない...
浅沼稲次郎 「まあまあ居士の弁」
...只今(ただいま)それを申上(もうしあ)げている遑(いとま)はございませぬ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...われは思慮する遑(いとま)あらざりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...げに限りも知らぬ花の隧道、下ゆく水に映じて、上下みな花、堤の上には、青草氈を敷き、紅なるぼけの花さきつゞきて、一種の花紋を添へ、見上げ見下すながめ、目もあやに、幾んど、應接に遑あらず...
大町桂月 「小金井の櫻」
...彼(かれ)は其(そ)の時(とき)雪(ゆき)の林(はやし)に燃料(ねんれう)を探(さが)すことの困難(こんなん)なことを顧慮(こりよ)する遑(いとま)さへ有(も)たなかつたのである...
長塚節 「土」
...お綾殿を思い出す遑(いとま)も無かったよ」「それは羨ましい――この俺は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「夜陰に塀を越して忍び込む曲者――相手の差別をする遑(いとま)がございませうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三右衛門は思慮の遑(いとま)もなく跡を追った...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...別後の情を細叙するにも遑(いとま)あらず...
森鴎外 「舞姫」
...行ふ所法度に合はず、人の敢て爲さざる惡事を行ひ、而も終生安樂富貴にして、累代斷絶せざる者、枚擧に遑あらず...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...カイロまで行(ゆ)く遑(いとま)の無い旅客(りよかく)の為に埃及(エヂプト)土産を売る商店が幾軒もある...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...肩に突っ立った矢を抜いている遑(いとま)もなかったのである...
吉川英治 「三国志」
...遠方此方(おちこち)の風景は迎接(げいせつ)に遑(いとま)なく...
吉川英治 「三国志」
...衣冠を着ける遑(いとま)なくば...
吉川英治 「新書太閤記」
...細かい政綱(せいこう)などは立てている遑(いとま)もない...
吉川英治 「新書太閤記」
...敵に防禦の遑(いとま)を与えないことである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...今はその由来因縁を彼に問うている遑(いとま)もなさそうなのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お通を会わせる遑(いとま)もあるまいに...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??