...席の温まる遑もない位であつた...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...ここにその詳しいことを説いている遑(いとま)はないが...
津田左右吉 「神代史の研究法」
...殆んど思うに遑(いとま)あらざりしなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...わたくしはまだ此二家の不忍池畔にいた時の年代を調査する遑がない...
永井荷風 「上野」
...維新当時は国事多端にして政府はなほ市井の風俗を顧(かえりみ)る遑(いとま)なかりしかば画工は憚(はばか)る処なく女湯の内部または『田舎源氏』の遊戯に見立てて御殿女中の裸体雪合戦を描く事を得たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...近き頃森田草平(もりたそうへい)が『煤煙(ばいえん)』小粟風葉(おぐりふうよう)が『耽溺(たんでき)』なぞ殊の外世に迎へられしよりこの体(てい)を取れる名篇佳什(かじゅう)漸く数ふるに遑(いとま)なからんとす...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...一寸の遑(ひま)もなく驅けて歩いて居た筈だ」徳右衞門は指を折つて數へて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...『二十四孝』をはじめとしてそのほかの著述書も計(かぞ)うるに遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...この類を求めて例を挙ぐればいちいち計(かぞ)うるに遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...枚挙に遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...なお未だ新築に遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...もはや当路者を顧(かえり)みるの遑(いとま)なし...
福田英子 「妾の半生涯」
...寧ろ耳を掩ふに遑あらず...
横瀬夜雨 「花守」
...兵馬を休める遑(いとま)もなく...
吉川英治 「黒田如水」
...かくてもう命令を待つ遑(いとま)はない...
吉川英治 「新書太閤記」
...攻撃に出る遑(いとま)を与えない敵である...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そういう詮議(せんぎ)だてさえしている遑(いとま)のないほど現在の綽空は...
吉川英治 「親鸞」
...今それらの城主や戦蹟についていちいち記録を拾っている遑(いとま)を持たないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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