...殆んど思うに遑(いとま)あらざりしなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...枚挙に遑がないだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...近き頃森田草平(もりたそうへい)が『煤煙(ばいえん)』小粟風葉(おぐりふうよう)が『耽溺(たんでき)』なぞ殊の外世に迎へられしよりこの体(てい)を取れる名篇佳什(かじゅう)漸く数ふるに遑(いとま)なからんとす...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...おそらく血は刀に附く遑(いとま)がなかったろう――切ると一緒に高いところから足で蹴落(けおと)して(その証拠には...
中里介山 「大菩薩峠」
...應接に遑(いとま)もなく襲ひかゝるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今は歴史的敍述に立入る遑はない...
波多野精一 「時と永遠」
...其事跡に見はれたるものは枚擧に遑あらず...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...もはや我が身も自ら顧みるに遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...枚挙に遑ないほどの――...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...めあてのない遑だしさで急いでくる蝦蟇の群...
三好達治 「測量船」
...しかし子供の意識は断えず応接に遑(いとま)あらざる程の新事実に襲われているのであるから...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...不遑枚挙(まいきよにいとまあらず)...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...民族的本性を反省するに遑なく...
吉川英治 「折々の記」
...深思の遑(いとま)もなく...
吉川英治 「黒田如水」
...防ぐに遑(いとま)もなく...
吉川英治 「三国志」
...――天のわれにかし給える数刻の時は――敵がそれを知るまでの遑(いとま)でしかない...
吉川英治 「新書太閤記」
...なお眼を移す遑(いとま)もなく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...駈けつける遑(いとま)なく...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索