...創造の過敏なる神經を攪亂する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それにも拘らず常に自己解剖の要求に促されて始終「俺」の事を語らずにゐられなかつた――俺の事を語りながらその過敏な自意識を嗤つて「忘我」の心を求めずにゐられなかつた――その矛盾も...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...過敏な神経と、強烈な想像力を享けて生れた彼が、其の少年時代を、精神的に淋しい環境に育てられ、青年時代には物質的にドン底生活を強ゐられるに到って、ますます現実生活の難渋から逃れて、空想の国に慰安を求めやうとし、次第に霊的の方面、怪奇の世界に対して特別の興味を覚えるやうになったといふのは、全く自然だらうと思はれます...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...神經過敏な畫家マカルトの面前に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...基督教は情性を過敏ならしむるが故に悲哀を感ぜしむるまた従(したがっ)て強し...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...そこで君は恰も自分の過敏な注意力を寧(むし)ろ嫌悪する様ないやな顔をして鬱ぎ込んで了(しま)った...
大阪圭吉 「花束の虫」
...時には非常に過敏な懸念をもって...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...これは建築者の設計の中に神経過敏な顧客の心理という因子を勘定に入れなかったためであろう...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...蓋し侯は天性神經過敏なれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...况んや是れと同時に第三者に對する外交關係漸く過敏ならむとしたるに於てをや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...蓋し侯は天性神経過敏なれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...唯(ただ)過敏なる感覚をのみ基礎として近世の極端なる芸術を鑑賞し得ない人は...
永井荷風 「妾宅」
...そうして半ば彼の過敏な神経を悲しんだ...
夏目漱石 「行人」
...鈍感でまた過敏な...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...神経過敏な連中ばかりが...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...福太郎は元来こんなに神経過敏な男ではなかった...
夢野久作 「斜坑」
...過敏な咽喉を害しないように出来ておりますので……」「ウン...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...過敏な神経が静まると共に...
和辻哲郎 「地異印象記」
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