...本來過敏な僕の自意識が...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...外界の刺激に応じて過敏なまでに満干(みちひ)のできる葉子の感情は今まで浸っていた痛烈な動乱から一皮(ひとかわ)一皮平調に還(かえ)って...
有島武郎 「或る女」
...過敏な神経と、強烈な想像力を享けて生れた彼が、其の少年時代を、精神的に淋しい環境に育てられ、青年時代には物質的にドン底生活を強ゐられるに到って、ますます現実生活の難渋から逃れて、空想の国に慰安を求めやうとし、次第に霊的の方面、怪奇の世界に対して特別の興味を覚えるやうになったといふのは、全く自然だらうと思はれます...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...神經過敏な畫家マカルトの面前に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こういう批評は恐ろしく無責任な冷酷なものとして神経過敏な出品者の不快な反感を買うかもしれない...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...なぜなら私の妻はとても神経過敏な女ですから...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...少年の過敏な頭脳(あたま)を刺戟(しげき)され...
徳田秋声 「新世帯」
...少なからず神経過敏なほうであったが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...况んや是れと同時に第三者に対する外交関係漸く過敏ならむとしたるに於てをや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...かかるそわそわした不安定な神経過敏な者らには...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の精神は過敏な反応を現わした...
豊島与志雄 「二つの途」
...兄の繊細な恐ろしい過敏な神経質なものの見かたは...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...こういう過敏な娘なので...
久生十蘭 「ハムレット」
...なにかそのことを口に出して友の過敏な神経を興奮させることを避けるだけの落着きを失わなかった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...幾分悲しく腹立たしい過敏な視線が...
宮本百合子 「異性の友情」
...神経過敏な連中ばかりが...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...福太郎は元来こんなに神経過敏な男ではなかった...
夢野久作 「斜坑」
...過敏な咽喉を害しないように出来ておりますので……」「ウン...
夢野久作 「超人鬚野博士」
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