...彼の目の前を過ぎゆく人に向って...
海野十三 「見えざる敵」
...近く我が舟のほとりを過ぎゆく時...
大町桂月 「鹿島詣」
...過ぎゆくすべての時代を通じてこれ以上に神々しくあることは決してないであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そして耳慣れた曙(あけぼの)の音が、遠い鐘、過ぎゆく小舟、水のしたたる二本の櫂(かい)、道行く人の足音が、二人に生きてることを思い起こさせながら、それを二人に味わわせながら、そのまどろめる幸福を、乱すことなく愛撫(あいぶ)してゆく……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...過ぎゆく時(タイム)の歌を二人で聞き...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...過ぎゆくものをとらえんとする...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...月日の過ぎゆくうちにいつともなく一ツ一ツ消去つて...
永井荷風 「蟲の聲」
...途に遙に小爆布をのぞむ多度山の櫟がしたに刈る草の秣が瀧はよらで過ぎゆく養老公園落葉せるさくらがもとの青芝に一むら淋し白萩の花養老の瀧白栲の瀧浴衣掛けて干す樹々の櫻は紅葉散るかも瀧の邊の槭(もみぢ)の青葉ぬれ青葉しぶきをいたみ散りにけるかも十七日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...ああ故郷にありてゆかず鹽のごとくにしみる憂患の痛みをつくせりすでに孤獨の中に老いんとすいかなれば今日の烈しき痛恨の怒りを語らんいまわがまづしき書物を破り過ぎゆく利根川の水にいつさいのものを捨てんとす...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...声のみ洩(も)らして過ぎゆくもをかしく...
樋口一葉 「あきあはせ」
...あの哀調に充ちた笛を「過ぎゆく時間の我々の耳に對するときをりの轉調...
堀辰雄 「クロオデルの「能」」
...それは過ぎゆく時間だ...
堀辰雄 「詩集「窓」」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...たましひの奥の奥よりか空とほく過ぎゆくごとくわが胸にありてささやくごとくとらへんとすれど形なし...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...過ぎゆくあたりの風景の何んと静かな眺めであろうと...
横光利一 「旅愁」
...過ぎゆくものの落した姿のようにさみしく朧ろに霞んだ...
横光利一 「旅愁」
...彼女は日中の速かに過ぎゆく時間を算へて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...過ぎゆく浪人たちのほがらかな面(おもて)や服装を...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索