...およそ下らない浪費にこそその使途を運命づけられてゐるやうなものだ...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...何という潜勢力を蔵する太古の威厳であろう! なんたる吸引的な死潮の魅魔であろう! 何かしら新しい宗教の発祥地として運命づけられていなければならないこのサイマ湖! 末梢神経的な現今の都会文化はここへ来て木(こ)っ葉(ぱ)微塵だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...女子は生れた時からさういふ風に運命づけられてゐるのか?』その話はいつもそこへと落ちて行くのだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...かれが目的を立てる時は必ずやすでにかれは大劫初(ごうしょ)からそれを目的とせねばならぬ様に運命づけられている...
辻潤 「錯覚自我説」
...方向を示すべく運命づけられているのをひしひしと感ずるのである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...それと永遠なる闘争をなすべく運命づけられていることを人の多くの哲学は教える...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...そこに運命づけられて生まれているかもしれないのである...
中井正一 「美学入門」
...私は乗ることに運命づけられてゐるかのやうに...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...その死後なお数日のあいだ物情騒然たる存在を続けるように運命づけられていようなどと...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...これを吸ふべく運命づけられてゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それは我々が我々に運命づけられてゐる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...または幸福に達すれば再び窮乏に沈淪しこの窮乏がまたも次の幸福の出発点となるというふうに永久の擺動(はいどう)(オシレイション――マルサスはこの語そのものもその観念もこれをコンドルセエから得て来たもののように思われる)に運命づけられていなければならぬのであるか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...女には全然できないものと運命づけられているかどうか...
柳田国男 「木綿以前の事」
...彼女の狂乱を救うべく運命づけられつつ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...最後に見ず識(し)らずの男女数名の生命(いのち)までも奪うべく運命づけられた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...彼女の鼻に対して結んだ因果関係――それに依って支配された二英雄の運命――それに依って支配された羅馬の将来――それに依って運命づけられた世界の今日――...
夢野久作 「鼻の表現」
...やがて致命的な不幸を義経に運命づけたものだった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そうして Aesthet となるべく運命づけられているならば...
和辻哲郎 「転向」
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