...遂……』と優容(しとやか)に頭を下げた...
石川啄木 「菊池君」
...十二月十五日ザクセン軍をケッセルスドルフに攻撃せしめ遂にこれを破った...
石原莞爾 「戦争史大観」
...遂に、他の者よりは大胆な、或はずつと辛抱のない、一匹の虫が、悪い場所を横ぎつて、切られた一方の端から、他の端へとその糸を張る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...遂にかかる不覚を取りぬ」ト...
巌谷小波 「こがね丸」
...僕らは今の責務(せきむ)を完遂(かんすい)しようじゃないか」ケンは波よりもしずかに云う...
海野十三 「恐竜島」
...その広汎なる知識をもってしても遂に想像できなかったほどの超人的女性の俘囚(とりこ)となってしまって...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...仙人がも一度第三の變化を遂げたかどうか知らないが...
薄田泣菫 「久米の仙人」
...彼が欲する所直ちにこれを遂げんとする...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...立場の批評なるものは目的を遂げることが出来なくなる...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...何故娘を殺した! と正面からぶつかって行かないのだろう! 何故体(たい)あたりに抗議しないのであろう!遂に不得要領のまま...
宮本百合子 「刻々」
...遂に蘭軒の門に入つたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...カイゼルの軍国主義と戦った――そうして遂に大勝利を博した事を知っている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...見れば、さきほどから穏やかでない眉をして、じっと怺(こら)えていた張遼が、遂に、堪忍ぶくろを切って剣のつかへ手をかけ、あわや跳びかかって、禰衡を斬ッてしまおうとする形相であった...
吉川英治 「三国志」
...遂に世に伝わらずにしまったものだということである...
吉川英治 「三国志」
...籠城討死を遂げようとなさるのは...
吉川英治 「新書太閤記」
...遂に温かい父母の膝下を去ったのです...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
...遂に四隻の難破船を出した...
和辻哲郎 「鎖国」
...遂にトルレスらは...
和辻哲郎 「鎖国」
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