...その妻(め)の遁れしことを聞きて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...多分君は自分の犯罪の結果から遁れたいばかりに...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...まるでわたしを遁れてどこかへ逃げだそうとでもするように...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「僕はその苦しさから遁れたいために...
豊島与志雄 「好意」
...難を遁れ得ることは極めて少い...
豊島与志雄 「生活について」
...その倦怠と不快な壓迫を遁れようとして盛に働いたみんなの惡戲性は...
南部修太郎 「猫又先生」
...ガリラヤへ遁れてナザレに住むことになった...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...無事に天網を遁れた有明荘の住人の一人...
久生十蘭 「魔都」
...一狼は遁れたが、今一つの狼は樹の幹に飛び上った...
南方熊楠 「十二支考」
...過ぎ去つた日の記憶や生活の努力から遁れてひとりで私は午後の日影をうつらうつらと睡りに落ちよう...
三好達治 「測量船拾遺」
...この忌わしい事件の渦中から遁れたい願いをもっていた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...頭の上を押さえている屋根や搏風(はふ)の下を遁れたり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...下界の縛(いましめ)を遁れて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...毒蛇の口を遁れるやうな心持が致しましたのでございます...
森鴎外 「魔睡」
...一応は斬ひらいて遁(のが)れるだけは遁れようと念(おも)う...
山本周五郎 「松林蝙也」
...私は考へることからせめて一週間遁れたいと思つて一人早く都會を逃げ出て來たのだが...
横光利一 「榛名」
...彼はただ山荘を遁れる手段に...
吉川英治 「剣難女難」
...他国の領地へ遁れてしまった場合も...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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