...これも誠に遁れ難い定業(じょうごう)ででもございましたろう...
芥川龍之介 「邪宗門」
...自分は山に遁れても完全に社會を脱却することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...平衡点から遁れようとしているのだ...
海野十三 「宇宙尖兵」
...市長の責任は遁れられぬ...
海野十三 「深夜の市長」
...こうして人間のおせっかいから遁れて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...現実の醜悪を厭うて夢幻に遁れんとする未明氏...
種田山頭火 「夜長ノート」
...如何にして文学の内にリアリズムからの息抜きか遁れ口かを見つけ出すか...
戸坂潤 「思想としての文学」
...」彼女は無理に身を遁れようとした...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...遁れられない運命だと...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...難を遁れ得ることは極めて少い...
豊島与志雄 「生活について」
...女は私の視線を遁れるやうに顏を反けて...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...ガリラヤへ遁れてナザレに住むことになった...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...のっぴきならぬ窮地から遁れようと思って...
橋本五郎 「殺人迷路」
...その父も不幸な死の系列から遁れることができなかった...
久生十蘭 「肌色の月」
...つまり自分は何と抗弁しても遁れられぬ状態で裁判を受け...
久生十蘭 「魔都」
...あれは寂しさを遁れる方便なんだね...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...倫敦を出発ったのはルグナンシェを遁れる為だったのじゃあないか」「だが...
松本泰 「日蔭の街」
...とっさに遁れ出る思案もなく」「おう...
吉川英治 「私本太平記」
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