...較やもすれば昔の志士や隠遁家の生活をお手本としておる...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...市長の責任は遁れられぬ...
海野十三 「深夜の市長」
...老人は話相手のない所在なさといらだたしさとから遁れるために...
薄田泣菫 「山雀」
...いくらやんちゃを言っても家族が大丈夫遁(に)げ出さないという自負心を獲得しているせいかもしれない...
寺田寅彦 「柿の種」
...隠遁や死も悪くはなかつたが...
徳田秋聲 「和解」
...そして機会を遁すまいとあせって...
豊島与志雄 「電車停留場」
...彼(かれ)は其處(そこ)に何物(なにもの)をも得(え)ないで遁(にげ)るやうに珊瑚樹(さんごじゆ)の木蔭(こかげ)を出(で)た...
長塚節 「土」
...財産を沒收されて親子三人命からがらにペトログラアドを遁れた事...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...「今度こそは遁(にが)しつこはねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恐れて四方に遁逃(とんとう)する者あり...
福澤諭吉 「故社員の一言今尚精神」
...畢竟(ひっきょう)負借(まけおし)みの苦しい遁(に)げ口上で取るに足らない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...まだ胸に落んか」「君の云う事は皆遁辞(とんじ)だ」「何故」「そりゃ説明するに及ばん...
二葉亭四迷 「浮雲」
...欧州人が新世界発見後持ち渡った馬が遁(のが)れて野生となった後胤だ...
南方熊楠 「十二支考」
...だんだん怖ろしくなって引返して遁(に)げてきた...
柳田国男 「山の人生」
...司馬懿の活眼はそれを見遁(みのが)しできなかった...
吉川英治 「三国志」
...彼が知りながら見遁(みのが)してやったため...
吉川英治 「随筆 新平家」
...決して遁(のが)したことがないお綱だったが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...もし強制的な手段により遁(のが)れ得ざる法律によって貨幣が一国に留置かれるならば...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??