...遁(に)げないばかりに階子(はしご)を上(あが)ると...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...あらゆる人の嬉しげに、楽しげに、をかしげに顔色の見え候に、小生はさて置きて夫人のみあはれに悄(しお)れて見え候は、人いきりにやのぼせたまひしと案じられ、近う寄り声をかけて、もの問はむと存じ候折から、おツといふ声、人なだれを打つて立騒ぎ、悲鳴をあげて逃げ惑ふ女たちは、水車の歯にかかりて撥(は)ね飛ばされ候やう、倒れては遁(に)げ、転びては遁げ、うづまいて来る大蜈蚣(むかで)のぐるぐると巻き込むる環のなかをこぼれ出で候が、令閨(れいけい)とおよび五三人はその中心になりて、十重二十重(とえはたえ)に巻きこまれ、遁(のが)るる隙(ひま)なく伏(ふし)まろび候ひし...
泉鏡花 「凱旋祭」
...隠遁をした目的は...
谷崎潤一郎 「秘密」
...芸術は屹度そこから遁げ出して行つて了ふに相違なかつた...
田山録弥 「黒猫」
...嚴しき守備の目を遁れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...鍵を下して窓から遁(に)げ去ると云うことは...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...決意が溢れきっているのを見遁(みのが)してはならない...
中里介山 「大菩薩峠」
...七兵衛は身をもって遁れるよりほかは...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうするとみんなが遁(に)げるやうに岸(きし)へ上(あが)つて指(ゆび)を出(だ)して其(そ)の先(さき)を屈曲(くつきよく)させながら騷(さわ)ぐ...
長塚節 「土」
...ややもすると遁世を志している...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...彼が遁(のが)れ得ぬよう固く家を鎖(とざ)し...
南方熊楠 「十二支考」
...遁げてどての蔭や沢のはんのきのうしろにかくれるものですから...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...さそりは一生けん命遁げて遁げたけど...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...「何(な)して遁げできた...
宮沢賢治 「鹿踊りのはじまり」
...人知らざれば汝が知恵に価なしとは!(ペルシウス)(c)遁世を口にする以上...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この遁走の歩度のなかで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...呂布の捜索から遁れていたので...
吉川英治 「三国志」
...かねて果心居士(かしんこじ)におしえられてあった破術遁明(はじゅつとんめい)の急法をおこない...
吉川英治 「神州天馬侠」
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