...青山(あをやま)の知邊(しるべ)へ遁(に)げるのだけれど...
泉鏡太郎 「十六夜」
...小林君の発明したのは「書遁(しょとん)の術」とでもいうのでしょう...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...盲目者の外は何人も見遁すことのできない...
大杉栄 「生の拡充」
...二人一所に遁げることは出來ないから」私は娘にさう言ふ...
竹久夢二 「砂がき」
...唯今申す通り江戸城の亡びる時遁出す有樣でございますから...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...一つの遁走(とんそう)曲を復吟した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一先ずその急場を遁れた...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...遂(つひ)には蹌跟(よろ)け/\鳴(な)き騷(さわ)ぎつゝ遠(とほ)く遁(にげ)た...
長塚節 「土」
...月(つき)は反對(はんたい)に遁(に)げつゝ走(はし)つた...
長塚節 「土」
...』『正直な處、私は遁げるよ...
八面樓(宮崎湖処子) 「泉鏡花作『外科室』」
...上をまはって泳いで遁(に)げたら...
宮沢賢治 「さいかち淵」
...その間に家を遁げ出したるに...
柳田国男 「遠野物語」
...急速に遁逃の同じ混亂に驅られてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...死神の口から遁(のが)れたように...
吉川英治 「新・水滸伝」
...今日は遁(のが)れても...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分はお十夜の眼から遁(のが)れるため...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...遁(のが)れようと求めた京子だったのが...
蘭郁二郎 「鉄路」
...現世的に無力となり終った知識人の隠遁所としてその頃始められた修道院のみであったが...
和辻哲郎 「鎖国」
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