...飽迄も/\身を翻して意地悪く遁げ廻る...
石川啄木 「二筋の血」
...ややもすれば行き詰まりの人事行政打開に重点を置いて軍拡を企図した形跡を見遁す事が出来ない...
石原莞爾 「戦争史大観」
...婦(をんな)に怨恨(うらみ)のある奴(やつ)だ……と……何(なに)しろ酷(ひど)い目(め)に逢(あ)つて遁(に)げたんです...
泉鏡太郎 「艶書」
...倉皇(そうこう)軍を収めて遁(に)げ去った...
大隈重信 「勢力の中心を議会に移すべし」
...さきに女が籠から遁がして出た鳥の赤い色が...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...とにかく一方では遁世守愚をすすめながらも...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...抽籤(くじ)を遁(のが)れた礼参りに...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...恰も形而上学者の見遁した大事な関係だったのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...相当要領よく遁(のが)れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ガリラヤへ遁れてナザレに住むことになった...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...八門遁甲(はちもんとんこう)の陣を敷くほど念入りに準備を整えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ヘルン自身がまた現実の『遁世者』であった...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...一八一三年にヴォーケ夫人のもとに隠遁してきたのだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...近年種痘追々開けて斯る大病を遁れるように成りたるは...
福澤諭吉 「養生の心得」
...記帳の仕事も手伝ふ彼女の指にインクの痕がついてゐるのを見遁しませんでした...
牧野信一 「舞踏会余話」
...隠遁趣味の人でなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一同ことごとく色を失い遁げ走りたりといえり...
柳田国男 「遠野物語」
...身一つを遁れだすのがようやくであった...
吉川英治 「三国志」
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