...第二は猥雜なる官能的刺戟に執着して經驗の意義本質を逸するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...暗黒から脱逸するの途がない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...彼が物質の集中する時期と散逸する時期とが交互に来ると考えたのはインドにおける静止と発達の両時期の考えを思い出させるものがある...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...すべてこれらは實行的自我を逸する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...常軌(じょうき)を逸するようになって行ったので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...かくて教学的精神は発達史的認識の要点を故意に逸するものであり...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...若しもそれを逸すると...
外村繁 「澪標」
...僕の生きてるうちに返さなければ永久に機会を逸する...
豊島与志雄 「好意」
...水滴の表面に吸着している空気の分子層の研究を逸することは出来ない...
中谷宇吉郎 「科学と国境」
...反動は正動よりも常規(じょうき)を逸する...
夏目漱石 「教育と文芸」
...この両氏は函館の岩崎郁雨(いくう)氏と共に啄木の伝記中に逸することの出来ない大恩人である...
野口雨情 「札幌時代の石川啄木」
...彼において多くのものを逸することになるだろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほとんど逸することがない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何となれば千篇も終に一律の外に逸する能はざれば也...
山路愛山 「詩人論」
...彼は何物も此原則の外に逸する能はずとせり...
山路愛山 「明治文学史」
...この機会に自己の地盤なり兵力なりを持たなければ生涯の機を逸するものと深く思っているにちがいない...
吉川英治 「三国志」
...逸するな」などと口々にどよめき渡って...
吉川英治 「平の将門」
...結局日本に向う季節風の時期を逸することになってしまった...
和辻哲郎 「鎖国」
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