...第二は猥雜なる官能的刺戟に執着して經驗の意義本質を逸するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その性格や素行に常軌を逸するところがあつても...
石川三四郎 「浪」
...――時代を超逸するといふのは...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...写実小説豈特(あにひと)り国民性の埒外(らちぐわい)に逸するものならんや...
綱島梁川 「国民性と文学」
...偶然は性格を逸する...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...この機会を逸すると...
中谷宇吉郎 「大雪山二題」
...あゝして置いては轉宅の際などに何處へ散逸するかも知れないから...
夏目漱石 「子規の畫」
...小事件を逸するのは古来から歴史家の常に陥(おちい)る弊竇(へいとう)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ランドフスカ夫人の「クラヴサン協奏曲ニ長調」も逸することの出来ないものだろう(ビクターJD一三一六―八)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...円舞曲作品六四ノ三)も逸することの出来ないものである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「弦楽四重奏曲(作品一二一)」のクレトリー四重奏団のレコードも逸するわけにいくまい(コロムビアJ七九〇七―九)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...常軌を逸するほどであっただけに...
火野葦平 「花と龍」
...基経はいずれも鶫を逸するであろうと...
室生犀星 「姫たちばな」
...彼において多くのものを逸することになるだろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...唯の一分間といえども逸することなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほとんど逸することがない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この機会に自己の地盤なり兵力なりを持たなければ生涯の機を逸するものと深く思っているにちがいない...
吉川英治 「三国志」
...或はそれらの人々を待つために丁度よいモンスーンを逸するか...
和辻哲郎 「鎖国」
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