...忠実な犬のように逸(いち)早くお前の膝許(ひざもと)に帰って来るだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...それじゃ僕が……沢本と戸部とが襲いかかる前に瀬古逸(いち)早くそれを口に入れる...
有島武郎 「ドモ又の死」
...逸子自身が直接に話すよりは...
伊藤野枝 「惑ひ」
...これからは差向(さしむか)いで暮すわけなのですから私は唯もう兄の弱気を嗤(わら)って独逸へ出発いたしました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...独逸の古詩『ニーベルングの歌』は...
高木敏雄 「比較神話学」
...――なぜ逸れたか...
高見順 「如何なる星の下に」
...所が、独逸は、大戦中、樟脳の供給が断たれて、火薬の製造に困ったから、これの人工製造を研究して、見事に成功した...
直木三十五 「大阪を歩く」
...足と身体で調子を取って上ろうとする心だけが逸(はや)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...「独逸を逃げ出した話も...
夏目漱石 「明暗」
...ところが先生例の通り独逸語が使って見たくてたまらん男だろう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...大正東京文化史の上には逸していけない大悪伝的存在のやう考へられる...
正岡容 「大正東京錦絵」
...君子交り絶えて悪声を放たずと言うに、自己の些細な給料を増さんとて、昨日まで奉祀して衣食の恩を受けたる神の社殿を、人を傭いてまでも滅却せんとする前科者の神職あるも、昭代の逸事か...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...「同じく常軌を逸するのなら」とか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ジブラルタルで独逸(ハン)のU何号かに魚雷(ヤキイモ)を喰(く)わされた話は誰でも知っているでしょう...
夢野久作 「難船小僧」
...名高い宝石蒐集家(しゅうしゅうか)の秘蔵の逸品ばかりを一粒ずつ貰い集めたかと思われるほどの素晴らしいもの揃いだったのです...
夢野久作 「死後の恋」
...城外へ逸走してきたが...
吉川英治 「三国志」
...ついに機を逸(いっ)すばかりか...
吉川英治 「私本太平記」
...湊川の川尻のほうへ逸散(いっさん)に駈け去った...
吉川英治 「私本太平記」
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