...飮みて酒の趣を得てもよけれど、進みては、飮まずして酒の趣を得るに至るべし...
大町桂月 「春の郊外」
...間もなく神原直造は一種段取りのついた慇懃(いんぎん)な荘重さともいふべき様子でゆつくりと来客の居並んだ前へ進み出て挨拶した...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
... 700又奮然と進み出で之と戰ふことを得ず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かの露国のごときその西方の運動においては寸進尺退、うっとうしきにもかかわらず、そのひとたび鋒を東するや、そのかつてみずから征服せられたるタタール人をば今は追いてこれを征服し、野獣を郊原に追うがごとく、したがって進み、したがって東し、あたかも無人の境を奔(はし)るがごとく、一瀉千里たちまちにして中央アジアに竜蟠(りゅうばん)し、アフガンに隣り、満州に接し、もってわが北門の鎖鑰(さやく)を叩(たた)き、黒竜(アムール)江上に東洋艦隊を浮かべ、長白山頭には猛鷲(もうしゅう)の旗影飄々(ひょうひょう)として朔風に翻(ひるがえ)るの勢いをなせり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...遂に討幕とまで進みしなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...一同は泥濘(ねかるみ)の街路を進みだした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...曾ての同輩は既に遥(はる)か高位に進み...
中島敦 「山月記」
...覚束(おぼつか)ない足捜(あしさぐ)りに進みました...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...なん刻に氷振舞がおわったと言った」敏捷(はしっこ)そうなのが進みでて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...二代目を継いで上上吉(じょうじょうきち)に進み...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...船長が進み出て、総督と握手して言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...」鳩時計は一晩に一時間あまりも進み...
牧野信一 「村のストア派」
...二又道を右に進み...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...一時に何週間もつづけて彼等は毎日着々と進みつづけ...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...初花の磔刑柱(はりつけばしら)の下に進み寄りて心静かに跪き礼拝しつ...
夢野久作 「白くれない」
...その姿を見返りつつ私は電球の下に進み寄って...
夢野久作 「一足お先に」
...誰かひとり進み出て...
吉川英治 「三国志」
...筏(いかだ)で進み...
吉川英治 「新書太閤記」
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