...社の同僚に逢坂といふ男があつて...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...政治部の高見と僕等の方の逢坂だ...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...逢坂は僕も嫌ひだよ...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...二人は態(わざ)と逢坂の指圖の反對にばかり石を打つた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...高橋は逢坂に、『どうだ、僕等の五目竝べは商賣離れがしてゐて却つて面白いだらう?』と調戯(からか)つた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...すると敵勢(てきぜい)は近江(おうみ)の逢坂(おうさか)というところまでにげのびて...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...夜をこめて鶏(とり)の空音(そらね)ははかるとも世に逢坂(おおさか)の関は許さじ魂(たま)の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞするなどという恋歌は四季の分類に入れようとしても入れようがありません...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...かつて竜之助が逢坂山(おうさかやま)で田中新兵衛と果し合いをした時に...
中里介山 「大菩薩峠」
...透き通るような姿をして現われて来た逢坂の関の清水の蝉丸神社(せみまるじんじゃ)の鳥居から...
中里介山 「大菩薩峠」
...「今日の世界が、騒がしい世界でございますことは、米友さんにも充分おわかりのことと思いますが、それでは何が騒がしいとお聞き申してみたら、さすがの米友さんも返答にお困りでしょう」「そうよな、騒々しい世間じゃああるけれど、何が騒々しいと聞かれると、ちょっと挨拶に困るなあ」「その通りでございます――私たちの周囲に何の騒がしいことがございますか、後ろを顧みれば、逢坂、長良の山々、前は東山阿弥陀ヶ峯を越しますると京洛の夜の世界、このあたりは多分、山科の盆地、今の時は丑(うし)三ツ、万籟(ばんらい)が熟睡に落ちております、この静かな世界におりながら、私もこの世界が騒々しいと思い、米友さんも騒々しいと思う、誰が騒いでおりますか」「誰も騒ぎゃしねえけれど、天下がいってえに騒々しいんだよ」「なるほど、天下と申しますると、天(あめ)が下(した)のことでございますな...
中里介山 「大菩薩峠」
...近江から京都へ越える逢坂山には走り井の餠がある...
長塚節 「旅行に就いて」
...穉(おさな)い頃多くの夢を小さい胸に抱いて東(あずま)から上って来たことのある逢坂の山を...
堀辰雄 「姨捨」
...そしてこの逢坂山(昔は相坂(あうさか)とも合坂(あうさか)とも書いた)は元来山城と近江との界にあって東海道筋に当り...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...翌日逢坂山(おうさかやま)の向こうから御息所の返事は来たのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こちらは早く逢坂山を越えておこうとして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自慢の出来るのは碓氷峠と逢坂山だ...
横光利一 「旅愁」
...逢坂口(おうさかぐち)...
吉川英治 「新書太閤記」
...逢坂山の高所から眺め知った平安の都は...
吉川英治 「平の将門」
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