...彼は通人だから、あの美術展の企画にも参加している...
...この店は通人向けの本が多いので、よく利用される...
...通人たちはよくそのカフェで会合を開いている...
...彼女は通人としての人脈が広いので、あちこちでお世話になっているようだ...
...大学時代から通人と付き合っていた彼は、社会人になってからも交流を続けている...
...日本の文人は好い加減な処で忽ち人生の見巧者となり通人となって了って...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...馬琴と違って酸(す)いも甘いも心得た通人だったから人をそらすような事は決して做(し)なかった...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...普通人の極量(きょくりょう)の四倍ぐらいやらないと利かないのですからネ」「四倍ですか...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...愛児もある普通人だから...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...芝居の通人(つうじん)は...
太宰治 「新ハムレット」
...あるいは江戸の通人には...
太宰治 「津軽」
...こうしたところには通人だというふうを見せたりしたが...
田山花袋 「田舎教師」
...通人の小さな円融観にも捉えられてゐない...
田山録弥 「西鶴小論」
...それは畢竟(ひっきょう)言わば作者Aと作者Bとの共同によって成り立った「共通人」Cといったような一人の仮想的個人の詩か小説であるのと何も変わったことはないであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...それから、話があぶみ小屋の神主のことになると、山の通人が、それをもセセラ笑って、「何ですって、神主様が行(ぎょう)をしていて、乗鞍の山へ平気で往復する――そんなことがあるものか、それは嘘だろう」「いいえ、嘘ではありませんよ」「神主様というものは、そんな行をするもんじゃない――それは修行者だろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...子供を相手に、こういう無邪気(?)な色気抜きの遊びに限る、こういう遊びぶりこそは、色も恋も卒業した通の通でなければやれない、という面つきをして得意満々の体に見えたが、しかし、もう時刻もだいぶおそい、この辺で、この清興に疲れた可憐の子供たちを解放して、塒(ねぐら)につかせてやるのが、また通人の情け、無邪気というものも程度を知ることが、また通人の通人たる所以(ゆえん)でなければならないという面をして、「どうだ、面白かったか」「ほんとに面白かったわ」「ずいぶん面白かったわ」「でも、わたし苦しかったわ」「負傷者は出なかったね、怪我をした者がないのが何より...
中里介山 「大菩薩峠」
...普通人に異つた枯燥した俤がないではないがおふさに心配は見えない...
長塚節 「おふさ」
...かの紳士、通人、芸妓の徒(と)は、汚れたる油の上を滑(すべ)って墓に入るものである...
夏目漱石 「野分」
...通人大名になりすましていたのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...芸術家と普通人との二元性というテエマを...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...世間の普通人でも決してない...
三好達治 「オルゴール」
...通人であり達人でなければならないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それまでは普通人のたべるものはすべてヨネであった...
柳田国男 「故郷七十年」
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