...さうして僕が輕く挨拶して通り過ぎる後から繰返し/\嬉しさうに感謝の念をのべた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...小夜の中山を通り過ぎるところで...
宇野浩二 「それからそれ」
...早過ぎたかな〉その考えがちらと頭を通り過ぎる...
梅崎春生 「幻化」
...駄菓子屋(だがしや)の店先などに丸い笊(ざる)の中に打ち重ねて盛りあげられた南京豆の三角形の紙袋を見ると買わずには通り過ぎることが出来ない位でした...
海野十三 「三角形の恐怖」
...露地を通り過ぎる時に起こすべき感情の性質は茶人によっていろいろ違っていた...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...苔むした墓側を通り過ぎる者あらば想え! 世にはかくも幻妖なる人生を送って...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...陰惨な熱い大きな影が通り過ぎる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...通り過ぎる人が彼の姿をじっと眺めていった...
豊島与志雄 「少年の死」
...通り過ぎる男共は...
豊島与志雄 「童貞」
...ゆっくりと娘のそばを通り過ぎるKに叔父は言った...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...さうしてときをりその木の下をギヤロツプで通り過ぎる馬の足音に驚かされるのだつた...
堀辰雄 「生者と死者」
...そのうちに春らしい驟雨(しゅうう)が日に一度か二度は必らず通り過ぎるようになった...
堀辰雄 「菜穂子」
...眠りがときどき僕たちの中を通り過ぎるのである...
堀辰雄 「眠れる人」
...知らせておこうと思いまして」エバンスが席を探すかのようにして通り過ぎると...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...」夫を従えて旗竿の脇を通り過ぎる時...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...見せ物町を通り過ぎると...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...その度を通り過ぎると今度は本当に心(しん)から軟くなって味が出るのです...
村井弦斎 「食道楽」
...通り過ぎるなどというお言葉は平生の怠慢をおしかりになっておっしゃることですか」新中納言はこう言うのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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