...疑惑も逡巡も要するに通り過ぎる雲だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...闇から闇へ通り過ぎる記憶といふ水が...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...眼の前を通り過ぎる雲ぢやと思うてゐる...
田山花袋 「道綱の母」
...一人の青年がおおよそ五六十ヤードばかり離れた視界の内を通り過ぎる修道僧たちの穢(きたな)らしい行列に敬意を表するために雨中に跪(ひざまず)かなかったからといって...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...通り過ぎる時には彼らと同じように傲慢な眼つきで見返した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...通り過ぎる人にも...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...二足で通り過ぎる後(うしろ)には...
夏目漱石 「永日小品」
...ゆっくりと娘のそばを通り過ぎるKに叔父は言った...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...浮筏(ラドオ)のそばを通り過ぎるころは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それが殆ど折れそうなくらいに撓(しな)いながら自分の花を持ち耐(た)えている傍(そば)などを通り過ぎる時は...
堀辰雄 「美しい村」
...私が夕方そこを散歩のついでに通り過ぎると...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...この女性が通り過ぎるのを見た...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...ともすれば黒い雨が通り過ぎる...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...その度を通り過ぎると今度は本当に心(しん)から軟くなって味が出るのです...
村井弦斎 「食道楽」
...真っ直に巡査派出所の前を通り過ぎる時...
森鴎外 「雁」
...二人の側を八百屋が荷を担いで通り過ぎる...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...おしまが通り過ぎる...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...妻も良人も通り過ぎる人達には少しも眼をかけず...
横光利一 「悲しみの代價」
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