...彼がそこを通り抜けようとして二三歩進んだ時...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...「お前の家はここだね」と言って通り抜けようとすると...
田山花袋 「田舎教師」
...青銅色の果(み)をつけた野葡萄の木は隣家(となり)の中庭(には)のこつちをばこつそり通り抜けるのでした...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...ちょうどこの頃にこの航空路を通り抜けて...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...我々は夕暮の本郷台(ほんごうだい)を急ぎ足でどしどし通り抜けて...
夏目漱石 「こころ」
...高柳君は恐る恐る三人の傍(そば)を通り抜けた...
夏目漱石 「野分」
...湯から帰りがけに入口の大広間を通り抜けて...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...黙って夫の前を通り抜ける女らしく見えた...
夏目漱石 「明暗」
...思い出はこの男を斜に通り抜ける……斜にこの男を...
原民喜 「夢と人生」
...弟が通り抜けていく柵もあるんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...さながら薄氷を踏む思いで部落を通り抜けると...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...どんなことがあってもこの二人の目に触れずに通り抜けることは出来ない...
久生十蘭 「魔都」
...明治四十一年四月ハロー市の大火の前に兎一疋市内を通り抜けた由(翌年六月五日の『随筆問答雑誌(ノーツ・エンド・キーリス)』四五八頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...そうして何処をドウ通り抜けて来たか...
夢野久作 「殺人迷路」
...「チッ」とか「フン」とかいった風に眼を外(そ)らして通り抜けるのさえある...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...彼女の姿が彼らの前を通り抜けて...
横光利一 「日輪」
...洗馬を通り抜けると...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...城太郎が通り抜けて行ったのも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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