...(伊勢八幡というは伊藤八兵衛の通り名を伊勢八と称したからである...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...「トラ十」という通り名でよばれて皆から恐(おそ)れられているらんぼう者の曲芸師丁野十助(ていのじゅうすけ)だった...
海野十三 「爆薬の花籠」
...トーキィ・テラス――やつらの下宿付近の通り名なのですが――そこら界隈で回していると...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...蔵屋敷のみにての通り名...
直木三十五 「南国太平記」
...ハクバヶ岳(たけ)が通り名になってしまいました」お花畑を出でると...
中里介山 「大菩薩峠」
...幾度もいふ通り名辞以前の現識領域の...
中原中也 「芸術論覚え書」
...「あの加納屋五郎次といふのは、代々の通り名で、東照宮樣御入國以前の家柄ださうですが、代々の遺言で、當主は死ぬまでに、瓶(かめ)一パイの金(かね)を子孫に遺(のこ)すことになつて居るさうですね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金左衛門も通り名である...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...私の家の伝来の風習で長男には必ず「純」の字を通り名として用ひてゐるさうだ...
牧野信一 「痴想」
...そしてそれが林学の方面でもまた植物学の方面でも通り名となって誰も疑わずにこの名を用いているから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...いつもの通り名も分らない髪に結って白い籐のかごの中にしたたりそうな葡萄の房の大きいのをいっぱい入れて腕にひっかけて居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...この種(しゅ)仙郷説話の通り名のようになっているが...
柳田国男 「海上の道」
...しら浪の通り名を日本左衛門(にほんざえもん)というのは彼です...
吉川英治 「江戸三国志」
...しかし二十年来世上の通り名...
吉川英治 「新書太閤記」
...おい、誰か行って、丁重(ていちょう)にお呼びしてこい」鴛鴦(えんおう)の巣は風騒(ふうそう)にやぶられ、濁世(じょくせ)の波にも仏心(ぶっしん)の良吏(りょうり)はある事林冲(りんちゅう)には、通り名がある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――門脇殿(かどわきどの)というのが通り名...
吉川英治 「随筆 新平家」
...妙な通り名をつけられて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...いつか「夜がたりの局(つぼね)」という通り名をもらっていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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