...しまいに金が要(い)るなら川森の保証で少し位は融通すると付加えるのを忘れなかった...
有島武郎 「カインの末裔」
...▲桑港に於ける幸徳▽米國の不平黨に交る久敷桑港に在りて同地の事情に精通する某氏の談に曰く▲秋水の渡米 幸徳が桑港に渡つたものは去卅八年の十二月だつた...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...ネズミ一匹も通すまいと...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...つまりそのもとをただせば、鋭器で突き通す、震動させるという具体的な動作であったのが、(三)のような抽象的な感情を現わす言葉に転用されてきたものであろう...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...髑髏(どくろ)の牙彫など拵えると鼻の孔(あな)へ毛を通すと目に抜けるという位の細かい細工をした人だが...
高村光太郎 「回想録」
...これは上代において西北方からの陸路によって交通する地方が西域といわれ...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...おちおち眠ることもできずに苦しみ通すに違いないのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...荷札へ針金を通す手を一刻も休めなかった...
戸田豊子 「鋳物工場」
...儒家たる點では共通する...
内藤湖南 「支那目録學」
...その裏のよほどの貴賓でもあった時に通すものと思われる妙に暗い室とは一度もはいったことがなかった...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...二世(にせ)かけて誓える女性(にょしょう)をすら通す事は出来ぬ...
夏目漱石 「幻影の盾」
...こゝへ通すがいゝ」平次は澁々ながらお秀に逢つて見る氣になりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕方までは飲み通す筈で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あそこからなら台所の中の手細工(オペラチオン)をひと眼で見通すことが出来るだろう」四つの影は縦列をつくって...
久生十蘭 「魔都」
...恋愛はそれと同じ事で自分があの人を好むと思ったら何でも構わずその我儘を立て通すのだ...
村井弦斎 「食道楽」
...信州の南のほうではこれを法螺(ほら)の貝に緒を通すといい...
柳田国男 「母の手毬歌」
...ここを通すこと相ならん...
吉川英治 「三国志」
...所信を押し通すまでのことだ...
吉川英治 「源頼朝」
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