...フランシスの眼を通してその尊い魂を拝もうとした...
有島武郎 「クララの出家」
...ハンケチを巻き通した喉(のど)からは皺嗄(しわが)れた声しか出なかった...
有島武郎 「小さき者へ」
...豪雨は夜を徹して鳴り通した...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...まずもって僕の父に内通し...
岩野泡鳴 「耽溺」
...朝つぱらから煙管(きせる)を啣(くは)へて一日凝(じつ)と待ち通しに待つてゐるさうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...そうして父は最後まで剛情を押し通し...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...一番右の端にいる女は、木の札に紐(ひも)をつけて、それを首の髻(もとどり)に結いつけているのだが、たま/\髪の生えていない首、―――「入道首」が廻って来ると、錐(きり)で耳へ穴を開けて、紐を通していた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...すでにその帝国を通して四分の三をあげて官有鉄道とし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...御隠居はそのお婆さんを座敷(ざしき)へ通して...
豊島与志雄 「狸のお祭り」
...先の見通しがなかなかつき難いばかりか...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...まだ洗って手を通していないよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一切の義人と生活者に共通し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...たかだか水通しの本結城と...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...失敗した宣伝教育の自己批判を通して...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...潮水は少しも飲まなかったが山に上がって夜通し焚火の傍にじっとしていたので...
柳田国男 「雪国の春」
...そこから北よりに切通しができてからは廃絶してしまったが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...日本文字に精通しているというだけの爺(じじい)としか見えませんから...
夢野久作 「人間レコード」
...道をあけて通したほどな威勢であったとある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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