...貴女を棄てて逐電(ちくてん)でもすりゃ不実でしょう...
泉鏡花 「婦系図」
...夫も世間も棄てて一緒に外國へ逐電してしまおう...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...一ヶ月程前に召仕の組と逐電(ちくでん)いたし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...刺してその場から逐電(ちくでん)するだけのことだが...
久生十蘭 「鈴木主水」
...「逐電(ちくでん)した農奴が欲しいって人はごわせんかな?」「お宅には逐電した奴もおありなんですか?」と...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...おまけに逐電したやつまで合わせると...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...俺達も早々に住み慣れたる故郷(ふるさと)を逐電しなければならなくなるであらうと私は...
牧野信一 「酒盗人」
...従者も逐電して淋しく暮す内...
南方熊楠 「十二支考」
...ために比隣反目して白井権八(しらいごんぱち)は犬の捫択(もんじゃく)から人を殺して逐電したが...
南方熊楠 「十二支考」
...江戸御邸より逐電(ちくてん)したる時...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...この山荘から逐電する心算(つもり)で跫音(あしおと)を忍ばせてそこへ出て来ると...
吉川英治 「剣難女難」
...足にまかせての逐電(ちくてん)也...
吉川英治 「新書太閤記」
...「伯耆(ほうき)どのが逐電(ちくてん)した」「御城代が...
吉川英治 「新書太閤記」
...晩霞(ばんか)に魯(ろ)憲兵も逐電(ちくてん)すること渭州(いしゅう)でも街なかの州橋(しゅうきょう)橋畔(きょうはん)に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...他国へ逐電と考えていたが...
吉川英治 「夏虫行燈」
...そのまま逐電(ちくてん)したとも云う...
吉川英治 「夏虫行燈」
...ご当所を逐電(ちくてん)いたしたらしく考えられますので」すると...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...彼は殺人後の逐電の場面を日本の国内にではなくマラッカまでの東アジアの海上に求めたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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