...その透間風が、ある時は顔に、ある時は手に、ある時は頸に、その不実な、冷かな憎悪を絶えず吹きつけるのだった...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...透間(すきま)は...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...しめ切らないその扉の透間から...
泉鏡花 「婦系図」
...旗の透間(すきま)の空青き...
泉鏡花 「凱旋祭」
...透間(すきま)を通して窓の中を覗いた...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...透間から吹き込む風はかなり冷い...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...これに透間(すきま)なく竹簀(たけす)をわたして墻(かき)のごとくになし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...それから歩いているうちに床板の透間から風が吹き込むでしょう...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...或時例の内弟子の光花が自分の坐つてゐる席の後ろの障子の透間から「旦那只今は有難う」といふので驚いて振返ると...
高濱虚子 「俳諧師」
...句の方はその化物屋敷といわれた家はもう人が住んでいて飯を炊いたり物を煮たりする煙が壁の透間から外に洩(も)れているとこういうのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...透間(すきま)もなく責め立てて敵を悩ますこともできます...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほとんど透間(すきま)もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...吊棚から戸棚の透間へ入り込んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...お嬢様じゃありませんか」お雪ちゃんが指したところの林の透間を米友が見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...透間(すきま)のないほどに熱を焚(た)きつけていたのは彼女の活気であった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...枳垣の透間から罌粟畑が見えた...
原民喜 「潮干狩」
...窓掛けの透間から差しこむ光線の縞(しま)の中で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...二階三階の内は二階三階の檐も皆長提灯を透間(すきま)なく掛けて居る...
正岡子規 「熊手と提灯」
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