...3.火が燃え透る...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...骨の髄までしみ透る寒さにふるえ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...私には胸にしみじみとしみ透るものがあった...
中井正一 「国立国会図書館について」
...上の部分がやっと日の目の透るほどの格子になっているから...
中里介山 「大菩薩峠」
...然し其時は遼東の冷氣が漸く肌に浸み透る頃であつた...
長塚節 「開業醫」
...お石に逢う度に其情は太十の腸に浸み透るのであった...
長塚節 「太十と其犬」
...けれどもよく透る冗談話や笑声も...
中原中也 「耕二のこと」
...人の肺腑(はいふ)に透るような...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...よく透る落着いた女の声がきこえてくる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...三重がさねの上の二つには小鰭の鮨や鮪の鮨、海苔巻、卵の鮨、下の箱には銭箱と取り箸を入れ、すこしそり身になって、鮨や小鰭のすうし……と細い、よく透る、震いつきたいようないい声でふれて来ると、岡場所や吉原などでは女たちが大騒ぎをする...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...すき透るように眼のなかが澄んできて...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...咽喉を透る痺(しび)れるような気持をたしなむように眼をつぶり...
火野葦平 「糞尿譚」
...しかしその骨の髄まで滲(し)み透るような貧困のどん底生活は...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...今まで心の澄み透る様な中に居たのが急に蒸しっぽい芥々(ごみごみ)した所に出て...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...よく透る甲高い声を廊下に響かせながらききかえした...
「海流」
...その肉片(にくへん)の大きさによって一時間から二時間も湯煮ると杉箸がスーッと楽に透る...
村井弦斎 「食道楽」
...例のふっくらとした調子で透る声...
山本笑月 「明治世相百話」
...しら玉のしら玉の清らに透るうるはしきすがたを見れば...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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