...たそがれのおとろへを透しみすれば...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...次郎兵衛がこれからもますます馬のように暴れまわってくれたならそれだけ将来の火消し頭としての資格もそなわって来ることだという遠い見透しから...
太宰治 「ロマネスク」
...認識は見透しである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...十間とは離れていない杉森の間を透して...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...日に透したら血管が浮いていそうな耳朶と...
豊島与志雄 「悪夢」
...たとい垣根は破けて見透しになっていたり...
豊島与志雄 「香奠」
...もう後(あと)にも先にも恐ろしいものが見透しのつかないほど深く立ち籠めています...
豊島与志雄 「囚われ」
...霜枯れの草原が遠くまで透し見られた...
豊島与志雄 「反抗」
...それを透して見んとする意志がかぎりなく働く...
中井正一 「壁」
...亜米利加(アメリカ)の先まで見透しというのは嘘でございますけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...万年筆屋さんの電気に透して...
林芙美子 「新版 放浪記」
...晩秋の陽光は澄みきつた高山性の空気を透して暑く...
葉山嘉樹 「運動会の風景」
...その槇の苦痛が僕の中に少しづつ浸透してきた...
堀辰雄 「不器用な天使」
...私は正しい沈着且つリアルな「見透し」そのものが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...透し柱・台輪(だいわ)・軒蛇腹・はてはコリント式のドリア式のと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...」銭石山の視線が日本の急所を見透したかのように尊大になって笑い始めると...
横光利一 「上海」
...これ等の見透しの遠景やは...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...國土の隅々にまで浸透してゆくわけはない...
吉川英治 「折々の記」
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