...太陽はその透きとおった黄いろい光線をだんだんに引上げて行った...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...まるで透きとおった寒冷紗のような薄雲(うすぐも)が一つ空を飛んでいた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...それは年の頃十四五の綺麗な少女で指輪も腕釧(うでわ)も透きとおった影の映りそうな水晶であった...
田中貢太郎 「水莽草」
...一気に透きとおったような身体を風かげに運ぶと...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...青暗く透きとおった海の底まで...
中谷宇吉郎 「大謀網」
...(六月×日)美しい透きとおった空なので...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ある午後、彼の眼の前には、透きとおった、美しい、少し冷やかな空気が真二つにはり裂け、その底にずしんと坐っている妻の顔があった...
原民喜 「秋日記」
...だんだん透きとおった水色にかわり...
久生十蘭 「あなたも私も」
...水晶のように透きとおったその魂を見たように思って...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...長い脚と透きとおったガラス玉のような眼とをもった連中...
山川方夫 「その一年」
...透きとおったものの道の上を歩いていけるような気がして来た...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...透きとおった首筋の向う側に...
夢野久作 「白菊」
...弱々しい透きとおった声で...
夢野久作 「木魂」
...土色に透きとおったまま...
夢野久作 「暗黒公使」
...可愛い恰好に透きとおった二重顎(ふたえあご)まで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...水晶のように透きとおった山や翡翠(ひすい)のようにキレイな海や川がありまして...
夢野久作 「奇妙な遠眼鏡」
...その透きとおったような...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...碧い透きとおった飴球のような実をつけている...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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