...或は水晶のやうに透きとほつてゐるのさへある...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...私何だか小さかった時分のことが話して見たくなったのよ」彼女が低い透き通った声でこんなことを云った時...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...震えながら鉛筆で透き写しをしているような...
太宰治 「芸術ぎらい」
...透き徹った人物は動(やゝ)ともすると小規模になるが...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...」水晶のやうに透きとほつた水が...
土田耕平 「八の字山」
...日光に透きとおってる手をながめ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...真っ白な繊(こま)かな透き靴足袋の上にX形に綾取(あやど)られていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...透き通るやうな小春の空に穩かな日光を浴びながら聳えてゐる樹木の姿が...
永井荷風 「畦道」
...紙帳がよく透き通っているから...
中里介山 「大菩薩峠」
...空が真蒼(まっさお)に透き通っていた...
夏目漱石 「それから」
...けれど透き通るやうな聲で歌を口ずさみながら往き來してゐるのを...
南部修太郎 「病院の窓」
...本当に透き通るような江戸前の娘で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それにあの透き通つた感じのお夏を縛るのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主體は顯はとなつた自己の透き徹つた形相の前に立つ...
波多野精一 「時と永遠」
...彼の陰鬱に透き通つた声が家中を駆け回つた...
牧野信一 「毒気」
...美しい童女の透き影の見えるのに声をかけて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...透き徹る形を築き上げて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...窓硝子(がらす)一パイになって透きとおっている...
夢野久作 「一足お先に」
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