...昆虫の眼は透きとほるような角性の蓋(ふた)で被はれてゐて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...私は透きとほつて見える高い星空の下で...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...しかし彼の眼が少女の緑茶色の袴の裾からはみだした白足袋をはいた透きとおるような柔かい形のいい脚に落ちたとき慌てて少女の袴の裾をソッと下に引張ってやった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...透きとおるような薄物(うすもの)のワンピースで...
海野十三 「地獄街道」
...妖女は透き通るからだを酔いの桃色に染めて嬌笑(きょうしょう)するであろう...
江戸川乱歩 「「悪霊物語」自作解説」
...水の雫のやうに透き徹つて...
薄田泣菫 「独楽園」
...その歯はかすかながら青味が感じられるほどの透き通るような白さで...
高見順 「如何なる星の下に」
...震えながら鉛筆で透き写しをしているような...
太宰治 「風の便り」
...青く透きとほるやうで...
太宰治 「富嶽百景」
...扇で透き間風を防いでいる貴婦人たちで充満していた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...透きとおるばかりに冷たく蒼ざめ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...血の気が引いて透き通ったかと見えるほど緊張した顔に...
豊島与志雄 「波多野邸」
...透きとおるような美人...
中里介山 「大菩薩峠」
...透き通つた硝子張りの虚空の下であまたのふしぎなる建築が格鬪し建築の腕と腕とが組み合つてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...わたしはだんだん透きとおって来るような気がした...
原民喜 「鎮魂歌」
...華奢(きゃしゃ)な耳もまた同じように暖かい光りを受けてぽっと赤らんで同じように透きとおって見える...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...形の上に透き徹つて見える内の焔が面白いのです...
森鴎外 「花子」
...透きとおる程に洗練された純美な調和を表現している美人の剥(む)き身(み)が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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