...昆虫の眼は透きとほるような角性の蓋(ふた)で被はれてゐて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...これはまるで水母(くらげ)のように透きとおっていて...
海野十三 「○○獣」
...皮膚は透きとおる程の青白さで...
太宰治 「駈込み訴え」
...それが妙に清く透き通っているようで...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...初夏の光りの中に透き通って見えた...
豊島与志雄 「楠の話」
...血の気が引いて透き通ったかと見えるほど緊張した顔に...
豊島与志雄 「波多野邸」
...透きとおるお湯の中に心ゆくまま浸(ひた)っていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...その痩せた白い身体の中が次第に透きとおって来て...
中島敦 「斗南先生」
...あの透き通るような綺麗さに魅せられて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...透きとおってゆくような気がするのだけれど...
原民喜 「鎮魂歌」
...棧橋の下の水が透き徹って見える...
原民喜 「透明な輪」
...半ば透きとおるような指をした色の白い手を額(ひたい)へ持っていった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...北から氷のやうに冷たい透きとほった風がゴーッと吹いて来ました...
宮沢賢治 「いてふの実」
...目の前の宙で何か透き徹って小さいものが実に容赦なくキュッキュッと廻って止った...
宮本百合子 「寒の梅」
...小波もない湖の底まで明るい透きとおった影の尾を曳いている...
室生犀星 「みずうみ」
...狭山様のお眼には世界中が硝子(ガラス)のように透きとおって見えているのですからね...
夢野久作 「暗黒公使」
...可愛い恰好に透きとおった二重顎(ふたえあご)まで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それこそ雪のように真白く透きとおっていたが...
夢野久作 「復讐」
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