...丁度細かい切子硝子(きりこガラス)を透かして見るようになりはじめた...
芥川竜之介 「歯車」
...斜(ななめ)に坂の方を透かして見ると...
泉鏡花 「悪獣篇」
...目を返して透かして見ると...
泉鏡花 「悪獣篇」
...山清水の小流(こながれ)のへりについてあとを慕いながら、いい程合で、透かして見ると、坂も大分急になった石道(いしころみち)で、誰がどっちのを解いたか、扱帯(しごき)をな、一条(ひとすじ)、湯女(ゆな)の手から後(うしろ)に取って、それをその少(わか)い貴婦人てった高島田のが、片手に控えて縋(すが)っています……もう笠は外して脊へ掛けて……絞(しぼり)の紅(あか)いのがね、松明(たいまつ)が揺れる度に、雪に薄紫に颯(さっ)と冴(さ)えながら、螺旋(らせん)の道条(みちすじ)にこう畝(うね)ると、そのたびに、崖の緋葉(もみじ)がちらちらと映りました、夢のようだ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...格子から今出た処を透かして見る...
泉鏡花 「婦系図」
...「坐つてゐて透かして見ると...
鈴木三重吉 「桑の実」
...小さな硝子戸から透かして見ると十三錢と云ふ札がついて居る賣れ殘りの餅である...
千家元麿 「自分は見た」
...透かして見ると鳥の子紙のように肌理(きめ)が細(こま)かい...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...しかし日光に透かして見るとこれとはまた独立な...
寺田寅彦 「浅草紙」
...硝子を通して斜(ななめ)に遠方を透かして見るときは猶(なお)そういう感じがした...
夏目漱石 「それから」
...所々が薄くなって日に透かして見ると裏からつぎを当てた針の目が見える...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...見てくれ」平次の掲げた提灯の明かりに透かして見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表のほうを透かして見るようにしてから...
正岡容 「寄席」
...木の間を透かして見る時は...
水上滝太郎 「遺産」
...陽炎(かげろう)を透かして見るように揺れながら流れつづけている...
山川方夫 「歪んだ窓」
...肩の振分(ふりわけ)をそこへ下ろして、「南無、消えるな、消えるな」と、禁厭(まじない)をいいながら、馬春堂の吹いてころがした吸殻(すいがら)の火玉を、煙管の先で追いかけたが、雁首(がんくび)でおさえるとジーッといったので、「おや?」と、透かして見ると、油のような血が流れていて、そこに浮いている摘(つま)み細工(ざいく)の一枚の花櫛(はなぐし)...
吉川英治 「江戸三国志」
...貴様は洞門じゃないか」権右衛門はハッと思って透かして見ると...
吉川英治 「剣難女難」
...紅玉を透かして見るように...
吉川英治 「親鸞」
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