...悉く透き徹(とほ)りたる紙もて製したる燈籠を懸け連ねたるが...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それについて、御縁女、相談に来(わ)せられたかな……糸七は蟇と踞み、南瓜の葉がくれ、尾花を透かして、蜻蛉の目で、覗きながら、咄嗟(とっさ)に心(むね)で思ううちに、框(かまち)の障子の、そこに立ったお京の、あでやかに何だか寂しい姿が、褄さきが冷いように、畳をしとしと運ぶのが見えて、縁の敷居際で、すんなりと撓(しな)うばかり、浮腰の膝をついた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...色の白さも透通る……お京は片袖を膝の上に...
泉鏡花 「薄紅梅」
...きゃきゃと透(とお)る...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...その方の窓ガラスは透明であった...
梅崎春生 「幻化」
...しかし彼の眼が少女の緑茶色の袴の裾からはみだした白足袋をはいた透きとおるような柔かい形のいい脚に落ちたとき慌てて少女の袴の裾をソッと下に引張ってやった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...明りの方に透かしてみたり...
海野十三 「三人の双生児」
...彼はこのとき亀之介を細い目で透かして見ながら...
海野十三 「地獄の使者」
...「柏葉(かしわば)」の下に五色の雲と天人の姿が透(す)いて見える...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...只指井が益々透き通るほど青白い顏をして...
徳田秋聲 「媒介者」
...この普及浸透の度が加わるのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...透明な雲を貫いて空にその光を投げ...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...わが隠し事を腸(はらわた)まで見透かされた狼狽(ろうばい)から...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分は透(す)き徹(とお)るほど深く見えるこの黒眼の色沢(つや)を眺めて...
夏目漱石 「夢十夜」
...だんだん稍(しょ)げたようになって私の言葉を聞いていらっしゃる頭の君を見透しながら...
堀辰雄 「ほととぎす」
...透明な真実の泉そのものです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...不純(ふじゆん)な沙(すな)を透(とほ)して清(きよ)くとろ/\と彼女(かのぢよ)の胸(むね)に流(なが)れ出(で)て來(き)た...
水野仙子 「悔」
...布の袋を二度ぐらい透してオスマシの汁を作っている...
柳田國男 「食料名彙」
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