...この窮境を拓きこの關門を透過する努力に於いて我等は始めて「師」の忠言を必要とするに至るのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...お互の懐中(ふところ)を見透かした...
泉鏡花 「薄紅梅」
...毛筋も透通るような頸(うなじ)を向けて...
泉鏡花 「婦系図」
...透明人間にぶつかってきた...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...透明人間は近づいてこなかった...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...まるで風景写真の陰画(いんが)を透(す)かしてみたときのようだった...
海野十三 「俘囚」
...透して見るとそこに人が登っていた...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...水の雫のやうに透き徹つて...
薄田泣菫 「独楽園」
...私は不思議な透明な気分で...
太宰治 「斜陽」
...近頃ある人がX光線で透して見てすぐに病所の有無を知る事を発見した...
寺田寅彦 「話の種」
...吾々はこの何物かをば最も広い意味に於ける――単に物理的ばかりではなく心理的に見えること触れることなどをも含めた――不可侵透性(Undurchdringlichkeit)と呼んでよいであろう...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...秋の透徹した大気の中に露わに曝されて転っている自分の心が...
豊島与志雄 「湯元の秋」
...見ているうちには胸が透いてくるよ」「ばかな――なんらの意義も理由もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...唐木に百虫の譜を透かし彫にした欄間(らんま)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それを透(す)き寫したものぢやありませんか」「さア?」「そこで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これにしばしば美しい透彫が見える...
柳宗悦 「工藝の道」
...眼の見えない峰阿弥になにもかも見透(みす)かされていた...
吉川英治 「親鸞」
...上書(うわがき)の文字を星に透かして...
吉川英治 「宮本武蔵」
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