...をんな小供までも髮の毛が逆立ちに立つた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...そんな折には土地名物の青蠅がやつて来て洋盃(コツプ)のふちで逆立ちをしたり...
薄田泣菫 「茶話」
...逆立ちしたってなしえなかったところのものなのであったが...
太宰治 「畜犬談」
...予審判事を逆立ちさせて...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...路傍の埃のなかに逆立ちをして駅馬車の窓から一スー二スーを投げてもらった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...あだやおろそかの逆立ちじゃありません」「恐ろしい事になりやがったな」平次はまだ茶化し気分でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...僕は逆立ちして、人生をひっくり返し、翻筋斗(もんどり)して、人生をびっくりさせ、卒倒して、人生を気絶させた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...背の毛を逆立ちにし...
火野葦平 「花と龍」
...緩く大きく逆立ちの形に傾きつつある...
牧逸馬 「運命のSOS」
...それが、逆立ちして、形の上であらわれているのだから、文化の歴史も一通りのものではないと思われます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鞍の上に逆立ちをしながら馬を走らせたものもたくさんある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自分なんかが逆立ちをしたって及ぶものではない...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...角の上へ三宝を置きその上で見事な逆立ちなど晴々しい水上の芸当...
山本笑月 「明治世相百話」
...そしてバックが、跳ねあがろうとして身をひきしめた時、毛は逆立ち、口はあぶくを吹きだし、血走つた眼には狂つたような光をたたえ、全くの赤目の悪魔であつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...あの逆立ちは芸当の小手調べチウて...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...逆立ちかけてきたのを見て...
吉川英治 「三国志」
...逆立ちの下手な、無器用な黒吉は、ここの少年座員なのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...その星明りの中に、ところどころの別荘の、干物台が聳(そび)えたち、そこにはまだ取入れられていない色華やかなモダーンな海水着が、ぺたんこになって、逆立ちをしたり、横になったり、股(また)をひろげたりして、ぶら下っているのが見え、それが、あたりがシーンと静もりかえっているせいか、昼間の華やかさと対照的に、ひどく遣(や)る瀬(せ)なく思われるのであった...
蘭郁二郎 「鱗粉」
便利!手書き漢字入力検索