...死を逃避するのではない...
高浜虚子 「俳句への道」
...さもなければ哲学か詩の瞑想(めいそう)へ逃避する以外には書くことができないのです」とうら淋しそうに眼をしばたたかれた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...青い花! そして白い花!・卑怯だけれど私は人間から逃避する...
種田山頭火 「其中日記」
...よく馴れたわれわれの手を遁(に)げる遁げ方と時々屋前を通る職人や旅客などを逃避する逃げ方とではまるでにげ方が違う...
寺田寅彦 「高原」
...彼はできるだけその感情から逃避するよりほかなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...観念こそ現実の事実から逃避する...
戸坂潤 「科学方法論」
...これを隠蔽するためにはそれ故一つの捏弄に逃避する外に道はない...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...個人が或るものから隔離し逃避することの内に初めて成り立つ処の消極的自由にしか過ぎない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...この場合人々は現実から故意に逃避するのではなく...
戸坂潤 「思想としての文学」
...この雰囲気から逃避するため...
豊島与志雄 「渡舟場」
...急に弱音を立てて逃避するもののように聞えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...泉邸の川岸へ逃避すると向岸が燃えて居ました...
原民喜 「書簡」
...逃避するといふわけではなかつた...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...しかしながら心の技術は社会から逃避するための技術となってはならぬ...
三木清 「哲学入門」
...自然へ逃避するという...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...中位の身分に満足して高い位を逃避するのにはほとんど苦労はいらないと思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...怨恨を負うて逃避するものの潜伏をゆるさず...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その現実を逃避する卑怯な態度などにおいて...
和辻哲郎 「院展遠望」
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