...これまた青くなって逃げ帰り...
井上円了 「おばけの正体」
...直ぐ逃げて行く薄情ものでもなければ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...弱音をはいて逃げだしました...
海野十三 「怪塔王」
...そうすれば、少しは被害地も大切にしてもらえるにちがいない……」一座の者は一人逃げ、二人逃げして、最後まで傾聴していたのは、主人の松田正久のほか、児島惟謙、星亨など数人であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...しかしたる木に結びつけてある髮を解いておいでになる間に遠く逃げてしまいました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...さっと波がひくように俺の周囲から人が逃げた...
高見順 「いやな感じ」
...血で汚れた鬼魅(きみ)悪い首を見て女達は逃げ走った...
田中貢太郎 「轆轤首」
...そう逃げんでもいいじゃないか」「ほほほ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...女を一人奪って逃げたと申すこと」「女を奪って逃げた? それは聞捨てならぬこと」「あの土塀を乗り越えて逃げたとやらだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...逃げ出そうとしたのだが...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...眼の下に血紫斑(ちあざ)をつけて家から逃げ出した...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...鐘の中に逃げ込んでも...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...虎や豹が獣を搏ち損う時は大いに恥じた風で周章(あわて)て首を低(た)れて這い廻り逃げ去るは実際を見た者のしばしば述べたところだ...
南方熊楠 「十二支考」
...ニコラエウスクではお前方の逃げて来るのを待つてゐるだらう...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...弟が一人で逃げたって...
森鴎外 「山椒大夫」
...平家が椎葉に逃げ込んだ時に...
吉川英治 「折々の記」
...「やあ、魔軍が来た」「賊将張宝が、呪(じゅ)を唱えて、天空から羅刹(らせつ)の援軍を呼び出したぞ」朱雋の兵は、わめき合うと、逃げ惑って、途も失い、ただ右往左往うろたえるのみだった...
吉川英治 「三国志」
...どこかへ逃げ失せてしまったのだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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