...早くから官途を退隠して釣道楽に韜晦していた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...(廿九年七月)伊藤侯の現在未来藩閥控制嚮に伊藤侯が、自ら骸骨を乞ふて大隈板垣両伯を奏薦し、以て内閣開放の英断を行ふや、藩閥家は侯を目して不忠不義の臣と為し、極力其挙動を詬罵するに反して、侯の政敵は寧ろ侯の英断を賞揚し、或は侯を以て英国の名相ロペルトピールに比するものあり或は侯の内閣開放は、恰も徳川慶喜の政権奉還に似たる千古の快事なりといふものあり中には其挙動の意表なるに驚きて、反つて侯の心事を疑ふもの亦之れなきに非ず既にして侯は遽かに遊清の挙あり、詩人及び記室を携へ、軽装飄然として西行するや、世間復た侯の未来をいふもの紛々として起る或は曰く、是れ侯が永訣を政界に告げて老後の風月を楽むなりと或は曰く、是れ巻土重来の隠謀を蓄へ、暫らく韜晦して風雲を待つなりと或は曰く、是れ大隈板垣の両伯をして苦がき経験を甞めしむる為なりとされど余を以て侯を視るに、侯の退隠は、旧勢力と分離して、将に来らむとする新勢力と統合せむが為めのみ侯は善く此の過渡の時局を処したるのみ豈他あらむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...决して侯の退隠を許さゞるの事情あり侯は此等の門下生の為めに...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大隈伯の退隠を希望すといふ如きは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...内心伯の退隠を希望し居たる儕輩も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大隈伯にして本党を退隠せば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...是れ政治的退隠者たる板垣の為に好個の事業に非ずや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...如上の理由に依りて彼れの退隠に同情を表するを禁じ得ざりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...久しからずして必らず退隠せむ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そこで幕府はいよいよ藩主の退隠と世子の家督相続を聞届けられて...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...退隠してから既に早や三年になった...
永井荷風 「春雨の夜」
...斎の退隠の年を明にすると云ふことは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...斎も慊堂も既に退隠後年を経てゐた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...懐之の退隠は安政の初年より早くはなかつただらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...次いで寧親も八年四月に退隠して...
森鴎外 「渋江抽斎」
...「明治四年辛未十月下拙(げせつ)(翁)退隠...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...――しかもご退隠以後...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...退隠後(たいいんご)...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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