...又わたしはどんなに愛していた女とでも一時間以上話しているのは退窟(たいくつ)だった...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...以上で私の退窟なお話は終りをつげました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...5.生涯一人の女の持つ魅力を歎賞せざるを得ないとなれば隨分退窟なことだが...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...二カ月もミルスの注射をしながら身体をアンチモンに馴らしている間の退窟しのぎに調べてみたことである...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...私も退窟で堪らぬから薄墨の雲と見る間に筆の山門司の浦はにそゝぐ夕立と咏んで...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...スクリインの上では退窟至極なものだつた...
南部修太郎 「文藝作品の映畫化」
...これに類する退窟な話を持ち出して母の欠伸を誘つてやりたくなつて...
牧野信一 「鏡地獄」
...――眠元朗は退窟と倦怠とをなお二重にとり廻したようなこの晩景のなかに...
室生犀星 「みずうみ」
...全くあれらの生活は眠元朗にはやはり退窟と倦怠と息づまりをあたえたに過ぎなかったのに...
室生犀星 「みずうみ」
...――母親の顔にも退窟な夜の疲れがぼんやりあらわれていた...
室生犀星 「みずうみ」
...「お前も退窟しているな...
室生犀星 「みずうみ」
...此処へきては宿命そのものすら身動きのならないほど退窟なものだ...
室生犀星 「みずうみ」
...「一たい生きてゆくことがこんなにまで退窟で...
室生犀星 「みずうみ」
...お前はそんなに退窟はしないだろう...
室生犀星 「みずうみ」
...「わたし最うすっかり退窟してしまいましたの...
室生犀星 「みずうみ」
...そんなに退窟はしなくなるだろう...
室生犀星 「みずうみ」
...そしてみんな退窟をしているんでしょうね...
室生犀星 「みずうみ」
...車内は再びどこも退窟と眠気のために疲れていつた...
横光利一 「頭ならびに腹」
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