...併し他人にとつて興味ある對話は自分にとつて死ぬ程退屈なことである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...形而上的生活の如きは空しい、虚な、退屈な、あり得可からざる生活と考へたでもあらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...たちまち人生は退屈なものとなる...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...いつ診ても目立つて変化のないこの病気は医者にとつてもかなり退屈なものだし...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それからというものは明けても暮れてもこの退屈な沙漠のような岸辺で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...またこの退屈な誰にも入用のない町に生じ得る秘密とは一体何か...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...その時教養とは尤もらしいが極めて退屈な文化人的ポーズに過ぎなくなるし...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...その退屈な朗読演説にも拘らず...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...――退屈なんてえのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上に載ってる退屈なインキ壺(つぼ)などを考え...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...退屈なるかな! 何故にいつまでも...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...なんて退屈なんだろう」ことしの夏こそは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...しかもどんな神秘な捕捉しがたい力があって、かくまで御身に心惹かれるのだろう? どうして御身の、あの退屈な歌が、国土のつづく限り、涯から涯まで、どこへ行っても嫋々として小止みなく鳴り響き、耳朶を打つのだろう? 一体、この歌の中には何があるのだろう? 何がかくも我れを呼び、慟哭し、心を緊めつけるのだろう? どんな声音がかくも悩ましく胸を打ち、魂に喰い入って、わたしの心臓にからみつくのだろう? ロシアよ! 御身はこのわたしに何を望んでいるのか? どんな不可思議なつながりが御身とわたしのあいだに匿されているのか? 何をそんなに御身は眺めているのか、また御身のうちにあるありとあらゆるものが、どうしてそう期待に充ちた眼をわたしに向けているのか?……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...――さういへば近頃の風俗小説家は何と下手糞な退屈な文章を書くではないか...
三好達治 「銀座街頭」
...一方は稀であるから退屈なこともあるし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...退屈な人だったなんて...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...話し相手にしても嘸(さぞ)面白くない退屈な事であろう...
夢野久作 「白髪小僧」
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