...余りに退屈なことだから...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...彼女は隠居の身の上で、これという仕事もなく、退屈なまま、まるで小説本でも読む気で、隣家の出来事を観察しているのです...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...溜(たま)らなく退屈なものに相違なからう...
薄田泣菫 「茶話」
...この少年はこんな退屈な辺鄙(へんぴ)な所を見たことがなかったのだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...退屈な時のなぐさみものにしているような図と甚(はなは)だ似ていた...
太宰治 「花火」
...オスロ・ストックホルムのあいだに退屈な一日の車窓を持つ...
谷譲次 「踊る地平線」
...退屈な人になったものね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...しかしこの退屈は下手(へた)な芝居映画の退屈などとは全く類を異にした退屈であって...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...退屈な古い家の中で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...雨のながくふる間私は退屈な田舍に居て退屈な自然に漂泊してゐる薄ちやけた幽靈のやうな影をみた...
萩原朔太郎 「青猫」
...無限の退屈な欠伸をしながら...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...ボンド通りで憂鬱で退屈なお仕事を毎日やっていたのは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...ひどく退屈な表口についた扉が...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...退屈なものですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一秒間がふしぎに十年も二十年も経つような退屈な時間が...
室生犀星 「後の日の童子」
...如何にも退屈な景色である...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...退屈なほどみえすいていて...
山本周五郎 「季節のない街」
...御退屈なさいましたか」庭さきから...
吉川英治 「日本名婦伝」
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