...退屈な無数の本を残した...
芥川龍之介 「西方の人」
...基督教徒(キリストきょうと)の地上楽園は畢竟(ひっきょう)退屈なるパノラマである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...併し他人にとつて興味ある對話は自分にとつて死ぬ程退屈なことである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...しまいには旦那様が退屈なすって...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...若しそもそもいまだ嘗つて彼女が持つたこともない魅力を歎賞してゐなくてはならないとなると猶更退屈なことだ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...たましいを掻(か)き(むし)りたいほど退屈なパアム街のなかほどに...
谷譲次 「踊る地平線」
...しかしこの退屈は下手(へた)な芝居映画の退屈などとは全く類を異にした退屈であって...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...「退屈な町」というのが題名で...
徳永直 「冬枯れ」
...自分が初めて発見したように勿体をつけて一つ一つ繰り返すという退屈なやり方を...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...再び極めて退屈な時間が続く...
外村繁 「澪標」
...それが彼女の退屈なしかし唯一の仕事である...
富永太郎 「大脳は厨房である」
...長い退屈な病気がいけないのだ...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...「おや癒(なお)るのかしら」私は退屈な病後の眼を絶えず彼の上に注いでいた...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...なんといふ退屈な人生だらうふしぎな葬式のやうに列をつくつて 大きな建物の影へ出這入りするこの幽靈のやうにさびしい影だ硝子のぴかぴかするかなしい野外でどれも青ざめた紙のしやつぽをかぶりぞろぞろと蛇の卵のやうにつながつてくる さびしい囚人の群ではないか...
萩原朔太郎 「青猫」
...あたしたちは三人きりでも退屈なんかしなかったわ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...独りで退屈な夜を過さなければならないことを想像すると...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...退屈なものだから飲んでいるのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...立松教師の話は退屈なものであった...
山本周五郎 「さぶ」
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