...ぎよツとしたやうに退ると立直つて提灯を持直した...
泉鏡花 「遺稿」
...」例の冷笑を目に湛へて内田が引退る...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...退るばかりであった...
直木三十五 「南国太平記」
...山内へ振向いた一人が、その掠めた閃きに、本能的に、身を躱して、一足退ると、自分の横に、立っている一人が、頭から、赤黒い血を、顔一面に――何うして、そんなに、流れたかとおもうくらいに、血にそまりつつ、よろめき、よろつき、両手で、頭を押えて――眼だけを白く剥き出しつつ、だが、眼瞼に、血をためて、頭を先に、胸を先に、よろめいて、歩き出すと、二三歩で、顔を歪めて、草の上へ倒れるのを見た...
直木三十五 「南国太平記」
...ハツと思つて手を退ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...來い」「あつ」飛び退るのを追ひすがつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「ここに宋秀陳というものがいるか」「お宿泊(とまり)になっております」「すぐここへ来るようにいってくれたまえ」ボーイ長が引き退ると間もなく...
久生十蘭 「魔都」
...秀陳は仰天してひと飛びに三歩ほど飛び退ると...
久生十蘭 「魔都」
...ただ黙つて引き退るより他にないのである...
北條民雄 「道化芝居」
...何を聞いているんだ!巴剌帖木(パラテム)はびっくりして後ろに退る...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...二歩退る)……だが俺だとて無駄な殺生したくはねえ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...ジリジリ退る)甚伍 逃げます! 私も逃げるから...
三好十郎 「斬られの仙太」
...井上それだけ退る...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...兵藤左小手をかすられて一歩退る...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...(言いながらも仙太に対して構えたままジリジリ退る)甚伍 逃げます! 私も逃げるから...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...その部屋でお茶でも飲んで待って居てくれ」七五郎、「へッ、待たせて戴きます」と石松と二人、次の部屋へ退る...
山中貞雄 「森の石松」
...さっと眼色を変えて退る...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...敗けたのか」と頬を膨らましてスゴスゴ引き退るトタンに大爆笑と大拍手が敵味方から一時に湧き返るという...
夢野久作 「ビール会社征伐」
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